Money

なぜ仕事をがんばって昇進、貯金しても老後の不安は消えないのか

2020年3月21日

令和の時代に入ってすぐの令和元年6月、金融庁は「高齢社会における資産形成・管理」という報告書をまとめ、人生100年時代においては「老後資金が2000万円不足する」という問題提起を行いました。

報告書の内容が報道されると「年金は安心っていってたのは嘘だったのか!」と世論は炎上しました。すぐに金融庁の官僚が謝罪し、麻生財務大臣も「反省」する事態になりました。

しかし生涯お金に困ることのなさそうなエリート官僚や大臣に謝罪や反省をさせて溜飲を下げても、私たちの将来がよくなるわけではありません。

僕は30代後半のころ、えもいわれぬ不安感に包まれていました。僕が感じていたのはこんな不安です。

自分は定年まで「逃げ切れる」のか。

若いと思っていた自分もすでに中年の仲間入り。気づけば最新のテクノロジーについていけない「老害」として疎まれ、自分のやっている仕事はAIによって自動化されたり、外国のより安価で質の高い人材に奪われるんじゃないか。

そもそも「定年」とはいつなのか。ちょっと前までは60歳だと思っていたらもう65歳になっていて、今後はさらに70歳、75歳と引き上げていかないと年金システムがもたないなんて話もある。

仮に定年までしのげたとしても、今後は老後に2000万足りないという。しかもそれだって、将来支給額も減らされるようになれば2000万じゃ済まない可能性だってある。

 

僕の不安は、間近で見てきた父親の影響もあるかもしれません。ボンボン育ちだった父は、大学、仕事、家とすべてを祖父母にお膳立てしてもらい、何一つ不自由することなく大人になったようですが、50歳を前にしてバブル景気が崩壊し、父の人生はそこから迷走を始めました。

祖父世代が創業した会社は倒産し、受け継いだ資産もすべて失い、年金も苦境の最中に支払いを止めてしまったために支給額を削られ、晩年は想定よりも少ない年金と、60代になってからはじめて就いた肉体労働の収入で借金を返済しながら細々と暮らすという人生でした。

当時の父親のことを思うと、自分もそうならない保証なんてどこにもありません。

blank

そこへ仕事のストレスが襲い掛かります。この不安が定年まで続くのか、いやこの不安は死の直前まで消えることはないのではないか。そう考えるとますます暗い気持ちになります。

仕事も貯金も解決してくれない

どうやったらこんな不安から開放されるのかを考えるうちに「あること」に気付きました。それは

  • どんなに昇進してもたぶん安心できない
  • どんなに貯金してもたぶん安心できない

ということです。

当たり前のことですが、会社を辞めれば次の月からは給料はもらえません

これは非正規だからとか正社員だからという話ではなく、雇われの身である以上、部長だろうが役員だろうが社長であっても大差ありません。

役職が高い人ほど給料も高いので、他の人よりも貯金は多いかもしれません。そういう人ほど人よりも生活費が高い傾向もありますし、貯金さえあれば安心でしょうか。

これまた当たり前のことですが、お金は使えばなくなります。大金だと思っていたお金でも、使うとわりとあっさりとなくなっていきます

それは宝くじで高額当選したのにスッカラカンになったという話や、億単位の大金を稼いでいたプロスポーツ選手や芸能人でさえ引退した後に生活苦に陥ってしまう人がいることからもわかります。

身近なところでは僕の父もそうでした。祖父から受け継いだ家を別の借金の精算のために売却したのですが、そこで残った数千万というお金を2年足らずでゼロにしました。転がり落ちるときは一瞬なんだと学生ながらに思ったものです。

こんな不安にどう立ち向かえばいいのでしょう。

 

「いやいや、それは気合が足りないだけだ。もっと昇進してもっと貯金しろ。そしたら不安も消え去る」

「誰だって不安だよ。不安に押しつぶされそうになりながらも頑張るんだ。それが大人だ」

 

と精神論で乗り切るのでしょうか。

歳とともに病気のリスクも高まるし、そうでなくともストレスのあまり心を病んでしまったら・・・

それにあなたがどんなに会社に尽くしても、会社は切ると決めたら切ります。外資系企業などが大規模なリストラをするときは、上層部(究極的には株主)から一方的に降ってきた削減人数を達成するために無差別に切り捨てざるを得ないことはよくあります。

日本では正社員は保護されるといいますが、いつまで日本式を貫けるかわかったものではありません。

blank

こんな不安を精神論だけで吹き飛ばそうとしたら逆に心を病んでしまいそうです。

不安を和らげるためにやったこと

仕事をどんなに頑張って会社に貢献しても、会社には退職した社員の面倒を見る義理はありません。そもそも労働力の対価としてお金を得るというドライな契約にすぎなかったわけですから。

がんばって老後に不足するといわれる2000万円貯めてとしても、使えばみるみる減る。

blank

冒頭で触れた「老後2000万円」ですが、この数字は

  • 高齢者の平均収入から平均支出を差し引くと毎月5万円程度足りない
  • 平均寿命を考えるとこの状態が30年続く
  • これを合計するとだいたい2000万円足りないよね

 

という計算式から出てきています。

つまり、65歳とかの段階でいきなり2000万円全額が必要なのではなく、毎月少しずつ不足するということです。

 

そう考えると、老後の2000万円は次のように捉えることもできます:

  • 足りないのは月5万なので、老後生活に入る時点でキャッシュ一括で持っている必要はない
  • 不足する資金は現金や預金で持っている必要はない
  • むしろ逆に老後になる前に資金が必要になることだってある

 

ならばやみくもに2000万円を貯めるのではなく、毎月不足する金額が入ってくる仕組みを準備したほうがいいのではないかと考えました。

そこで僕が選んだのは「不労所得」でした。

お金が人生のすべてではないですが、お金がないと不安は消えず、不安を抱えていると人生の質も大きく下がるので、石器時代ならばともかくこの時代を生きる上では仕方のないことなのでしょう。

blank

不労所得でも資産収入でも呼び方はなんでもいいのですが、とにかく労働以外の方法でお金を得ることを考え、僕たちは不動産からの家賃収入を軸に置いていて、今は不労所得だけで生活を賄える状態を目標にしています。

これは単に仕事をやめて遊んで暮らしたいということではありません。能力の問題や年齢的な問題、またはやる気の問題であれ、仕事を続けられなくなったときに選択肢はないよりはあったほうがいいと思うからです。

そして老後かどうかにかかわらず、仕事をしなくても収入が入る仕組みがあれば僕のお金に関する不安は解消されると思いました。

妻の出身地であるタイのチェンマイでは、1000万円あれば250平米の土地とファミリーで住める家、それに家具一式を買うことができます。そしてそれを賃貸すると月6〜8万円の家賃収入を得ることができます。外国人のリタイア組や、最近ではインターナショナルスクールに子供を通わせて英語をマスターさせようと中国や台湾(最近は日本も)などの非英語圏の国々から来る親子も増えています。

空室率や修繕費、仲介業者への手数料、オーバーサプライ(供給過多)などリスク要因はもちろんありますが、ここは単純化して「毎月6万円もらえる」としましょう。するともうこれだけで「老後に不足する」といわれた月5万円を賄えるのです。

そこで満足せずに貯金して、給料も合わせて不動産をさらにもう一つ買い足せば、不労所得は月に10万円を超えます。そしてここでもらったお金をまた貯めてまた新しい不動産を買えば・・・すべてを一朝一夕に達成できなくても、長期的に考えれば現実味を帯びてくるのです。

blank

このようにして会社の給料以外の収入を得るようになると、今まであった不安感がだんだんと薄らいでいくのが実感できました。

そして先ほども書いた「不労所得で生活費を賄える状態」を達成できれば、お金に関する不安のほとんどはなくなるんだろうと思えるようになりました。

その上で仕事をやめるかどうかは人それぞれですが、仮に会社からリストラをされても露頭に迷うことはありませんし、この経済状況を活かしてやりたかったことに挑戦してみるのも素晴らしいことだと思います。

株か不動産投資が主流

不労所得を得る方法としては、株式投資か不動産の家賃収入がメインどころといえますが、どれを選ぶかはその人の資産状況や好みもあると思います。僕の場合はタイ人と結婚してタイに住むという境遇にいたため、対象がタイの不動産になったというだけです。

僕が妻と結婚していなければタイの不動産に興味を持つことはなかったと断言できます。

じゃあ日本の不動産をやっていたかといえば、僕はローンを組むのを怖がって手を出さず、おそらく株式投資を選んでいただろうと思います。このように、その人の経済状況や性格に合ったものを選べばいいと思います。

ただ一つだけ補足させていただきますと、タイをはじめとした海外不動産への投資は十分すぎるほどの注意が必要で個人的にはオススメしません

ではなぜ僕らはやっているのかというと… 僕らは一般に知られるコンドミニアムへの投資ではなく、土地付きの住宅に投資しているのです。

外国人はタイで土地を所有できないため、コンドミニアムを買うのですが、僕たちは妻がタイ人なので土地付きの物件を購入しているのです。

コンドミニアムは完成前なのに転売が繰り返され値上がりするなど投機的な性質もあり、開発が止まらないバンコクではまだ景気のいい話も聞きますが、ここチェンマイではすでに供給過多となっており、完成から数年経っても借り手が全くつかない物件も多いと聞きます。

個人的な意見ですが、日本に住んでいる日本人にとって、タイのコンドミニアムはハイリスクな投資対象だと思いますので、自分で住む物件だったり、現在タイに住んでいて現地情勢に精通していて、トラブルが起きても自分自身で足を運んで対応できるといった方でない限りは無闇に手を出さないほうが無難かと思われます。

それならば日本国内の不動産投資のほうが、情報収集もしやすいし、自分の足を使ってリサーチもできるし、日本の常識や法律が通用するし、またローンも活用できるので取り組みやすいのかなと思います。

ただ途上国と違い、「経済成長の勢いにまかせて右肩上がり」というボーナスタイムは終わっており、決して簡単な分野ではないようですので、慎重に情報集取をした上で判断されることを強くおすすめします。

しかし、「よくわからないから」といって何もしないのはもったいないと思います。僕は学生時代から「投資=カモにされる」という先入観が強すぎて、そのために投資の知識をつけることすら避けていました。

その結果、30代後半まで投資の知識ゼロで貴重な時間をロスしてしまったことを非常に悔やんでいます。「時は金なり」というように、投資は時間を味方につけることでパワーが倍加します。なので、不動産に投資するかどうかをすぐに決めなくても、どんなものかを理解しておくのは非常に価値のあることだと思います。

今は投資に関する情報を発信しているYouTubeチャネルもありますし、体系的なセミナーや講義形式で学べるものもあるので、こちらも参考にしてみてください。

-Money

Copyright© dawaan , 2020 All Rights Reserved.