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海外から日本のドラマや映画を見る方法

動画視聴に制限がかかる理由

僕は海外で過ごすことが多いのですが、この記事を作成している2020年3月、滞在先のタイでは非常事態宣言が出され、ほとんど外出できなくなりました。食事も外食は禁止で、持ち帰りやデリバリー、もしくは自炊しかできません。

外出もできないことだし久しぶりにAmazonプライムビデオでも観ようと思ったものの、海外から日本の動画配信サービスを利用することはできません。

そのイメージを示すとこんな感じになります。

海外から動画配信サービスが使えない理由

上の②で示すように、動画配信サービスはクライアントのアクセス元をIPアドレスから判断しています。

IPアドレス自体に国情報は含まれていないのですが、世界中のIPアドレスの割り当てを管理する機関のデータベースや、企業が蓄積してきたデータベースなどを組み合わせることで、IPアドレスを見ただけでどの国からのアクセスかわかるようになっています。海外旅行先でGoogleを開くと、その国のGoogleが開くのも同じ仕組みです。

VPNが必要な理由

この制限は「VPN」を利用することでこの制限を突破することができます。そのイメージは以下のようになります。

 

まず、日本国内に「VPNサーバー(ゲートウェイともいう)」があり、VPNを利用したい人は自分の端末をVPNサーバーに接続させます。こうすることによって、自分の端末からのデータがVPNサーバーを経由するようになります。

すると②で示すように、自分は海外にいるのにデータは日本国内のVPNサーバーを経由することになります。

こうすることによって、動画サービスには日本国内のIPアドレスからのアクセスにみえるので、国別制限をかいぐぐることができます(③)。

日本国内のVPNサーバーを手に入れるには

VPNサービスを利用する

日本国内のVPNサーバーを手に入れる方法はいくつかありますが、一番便利なのは商用サービスを利用するものです。

日本企業が提供サービス以外にも海外企業のサービスも数多くあります。とりあえず手っ取り早くVPNを利用したいという場合は、日本のサービスでわかりやすい セカイVPN を試してみることをおすすめします。

無料お試し期間もあるので、自分の利用している動画サービスが実際に使えるかを確認してみましょう。

うまく動作しない場合や続けて利用したくない場合はお試し期間中に解約すれば費用はかからないので、海外に長く滞在する予定がある場合は早い段階で試しておくといいでしょう。

自分でVPNサーバーを立ち上げる

自分専用のVPNサーバーを作ってしまうこともでき、僕自身はこの方法を使っています。

ただあらかじめお断りしておきますが、ある程度の知識や興味がないと頭痛の種にしかならないので、ITスキルに関心がない方は上記のVPNサービスを検討したほうがいいと思います。

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サーバーを立ち上げるなんていうと難しそう、高そう、ゴツいというイメージがありますよね。

サーバーってこんなの?

 

しかし実際はこんな大仰なものではありません。使用するのはVPS(仮想専用サーバー)というもので、イメージとしては、上の写真のバケモノマシンの数百分の一の領域を間借りするような感じです。

大きなマシンのごく一部を間借りするので、月数百円から始められてしまいます。

当然インターネットに接続しているので、インターネット上からアクセスしてサーバーとして使えます。そこでVPNサーバーを立ち上げるだけでなく、自分のアプリケーションを実行したり、ウェブサイトを公開したりとという用途にも使えるので、海外生活を楽しみつつITスキルの習得にも興味がある方には計り知れないメリットがあります。

ちなみに僕はいくつか試した結果、ConoHa に落ち着きました。このVPSは「美雲このは」という萌えキャラをフィーチャーしていてビックリしたのですが、可愛い見た目とは裏腹に性能、機能、価格、使いやすさ、モダンさのバランスが群を抜いていて「ぐっ…萌えキャラだと思ってたらなかなかどうして…」とギャップに萌えてしまいました。僕自身2年近く使っていますが不満はゼロなので自信を持ってお勧めできます。

ConoHaのキャラクター「美雲このは」ちゃん

 

自分でVPNゲートウェイを立ち上げることに興味が湧いてきたという方は、こちらもご覧ください!

OpenVPNサーバーを5分で立ち上げる方法

最近、VPS上にOpenVPNサーバーを立ち上げてみたのですが、非常に簡単にセットアップができる方法があったのでご紹介したいと思います。 自前のVPNサーバーを立ち上げようと思った経緯はこちらをご覧く ...

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日々変わる情報

VPNサーバーを使った動画閲覧に関しては注意点もあります。

それは、配信サービスが「対策」としてVPN経由のアクセスを制限してしまう可能性があることです。

下のイメージ図をご覧ください。

 

②の部分で「悪いVPN」と書いていますが、ポイントは誰がいいVPNで誰が悪いかを判断するのはあくまで動画配信サービス側だという点です。配信サービス側が「このVPNからのアクセスは一律でブロックしよう」と決めれば、そのVPNサーバーを経由した場合は動画を見られなくなります。

どのVPNがいいのか悪いのかを一概には決められませんが、特に海外のVPNサービスでこの制限がかかりやすく、対策も随時行われているようです。

そのため「このサイトで使えるって使えるって書いてあったのにもう使えない」ということが起こりやすくなっています。

ほとんどのサービスで無料期間がついているのは、「動作確認」のための時間を与えるためなので、まずは無料お試しから始めて使えることを確認するのが確実だと思います。

まとめ

最後に、これまでの内容を簡潔にまとめましょう。

  • 海外から日本の動画サイトの動画閲覧は制限されていることがほとんど。
  • この制限をかいぐぐるには、日本国内のVPNサーバーを経由する必要がある。
  • VPNサービスは セカイVPN がおすすめ。
  • 無料期間中はまず、自分が利用している動画サイトで実際に動画を閲覧できるか確認する。
  • 難易度は高めだが、ITスキルに自信がある方、興味がある方は仮想サーバー(VPS)上に構築するのおすすめ。
  • 仮想サーバーは月額数百円から利用でき、ConoHa がおすすめ。自分のサーバーを持つことはITスキル習得にも最適。
  • 動画配信サービス側の都合で、VPNからのアクセスが拒否されるケースもある。サービス側の対応は随時変わるので、無料期間中に自分で試す必要がある。

日本のことを忘れて海外を満喫するのが一番ですが、自分の国が恋しくなることも、自分の母語でリラックスして映画やドラマを楽しみたい時だってあります。そんな時に自分を休めてあげてこそまた仕切り直して頑張れることもあります。そんな息抜きに威力を発揮するVPNは海外在住者の必須ツールかもしれませんね。

 

 

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