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日本の屋外禁煙の政策について思うこと

2017年3月29日

タイに住んでいるとタバコを吸う人を目にする機会があまりありません。もっともこれは住んでいる地域によって違うでしょうが、日本よりも確実に少ないといえます。意外かもしれませんが、タイは欧米並みに禁煙化が進んでいる国です。

日本も最近はかなり厳しくなっていますが、何かがずれている気がしてなりません。個人的には日本は禁煙に関してはかなり後進国の部類だと思います。今回は外国の喫煙事情や日本の禁煙政策に関して思うことを書きたいと思います。

厳しくなるタバコへの締め付け

この前タイのセブンイレブンに行ったら久しぶりにタバコを見ました。たまたまレジの前にいた人が時間がかかる手続きをしていたみたいで、レジの前で数分待つことになりました。

その時、レジの後ろ側に陳列されているタバコが目に入ってきたのでボケーっと見ながら思いました。

「そういえば、タバコ見るの久しぶりだなあ」

最初はぼーっと見ていたのですが、ふと思うところがあり食い入るように近寄ってパッケージを眺めてしまいました。

というのも、2016年くらいのニュースで

「法改正により、今後はタバコのパッケージの90%は健康被害に関する警告を表示させなければならない」

というのを思い出し、これがどうなったか少し気になったのです。

タイ名物タバコの警告パッケージ

結構前から、タイのタバコのパッケージには喫煙による健康被害を思わせるような禍々しい写真がどーんと貼られていました。

知り合いの日本人の女性(喫煙者)は以前、タイに旅行した時にこのタバコのパッケージを見て

「あんなグロい写真が付いているからタバコを吸う気が失せた!」

といってぷんぷん怒っていました。

なるほど、あのパッケージを見ただけで吸いたくなくなる人がいるのならば効果てきめんですね。ちなみに彼女は

「仕方ないから、あまりグロくないパッケージのものを選んで買っておそるおそる吸った」

とのことでした・・・でもそんなことしてもあんまり意味がないような・・・・

以前ですらこれだけ過激なパッケージなのに、今回の法改正によりこのグロ警告の表示割合が90%にまでなるそうです。90%となると銘柄はほぼ見えなくなります。

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もうどれがどの銘柄だかもわかりませんね。それとさりげなく値段も上がってた気がします。パッケージから銘柄の区別すらつかないようにして、ブランドイメージすら出させないのが狙いでしょうね。

僕も以前はかなりの喫煙者だったのですが、僕が一番タバコを吸っていた時代は、大人の男はタバコを吸うのは当然で、「どの銘柄を選ぶかで個性を出す」みたいな感じだったと思います。

「キムタクがドラマの中でハイライトを吸っててかっこよかったからオレも」

とか、

「あのカッコかわいいお姉さんがKOOLを吸ってたからあたしも」

という感じでした。

しかし肝心のパッケージがこんんなったら個性もなにもないですね。この状況でもあえて強がるならば、

「オレは赤ん坊に煙を拭きかけてる写真でゲスっぷりを演出するぜ」

「フン。ならばオレは真っ黒な肺の写真で向こう見ずの漢らしさを出してくか」

とかいう感じでしょうか。どちらにしてもネガティブな印象は拭えないです。

タイのタバコの値段

ちなみに値段の方は、マルボロとかの高いやつは一箱120バーツ(2017年現在)くらいになっていました。

僕が吸っていた数年前は、マルボロライトが一箱90バーツだったので、短い間に結構上がってますね。

安いものは50バーツほどでしたが、これは「わかば」のような位置づけのタバコです。L&Mというタバコは、安いマルボロだと説明を受けたことがあります。味はマルボロと同じだけとパッケージが違うのだそうです。プライベートブランドのコーラみたいなものですかね。

一箱120バーツといえば、日本円で400円以下なので安いといえなくもないですが、タイの平均所得などを考えればかなり高めに設定されていると言えるでしょう。

あと、葉巻も買えますがかなり高い税金がかけられています。タイはキューバ産もありますが、日本よりも高かったと思います。

タイの喫煙マナー

タイでは屋内での喫煙は一切禁止されています。レストラン、喫茶店、パブなどでも一切禁煙です。学校、病院などの公的機関の敷地内も禁煙です。

タイは気候がいいためオープンエアーのお店が多いのですが、そういうお店であっても喫煙は外の方まで移動しないといけません。灰皿がある席は一度も見たことがありません。

夜にお酒を飲めるところであれば喫煙所にそこそこ人がいるのを見ますが、昼間にカフェとかに行ってもタバコを吸っている人をほとんどみない印象です。

車を運転しているとたまに喫煙者を見かけますが、外国人の観光客(中国人に多い印象)や肉体労働者に多い印象です。バンコクなどの大都会ではどうなのか知りませんが、僕が住んでいるのは地方都市で、こちらでは車やバイクでの移動がほとんどなので、歩きタバコみたいなのはあまり見ません。

田舎の喫煙文化

街の方では先に書いたような感じなのですが、田舎まで行くとタバコを自作して吸っているご老人が結構います。葉っぱだけ単体で近所の売店で売っているので、それを買います。

巻き紙はバナナの葉っぱを乾かしてアイロンで伸ばして四角く切ったもので、近所の売店みたいなところで売っています。たしか葉っぱと巻き髪の両方で20バーツくらいだったと思います。

これでかなりの本数作れます。

作り方は、巻き紙(バナナの葉っぱ)の上に、タバコの葉をちぎって乗せます。そこに香りづけに乾燥させたタマリンド(甘くて酸っぱい感じ)の細かくしたものをパラパラっとふりかけて、あとはそれをくるくると手で巻いていきます。

うまい人は葉っぱがぎっしりと詰まった状態で型崩れしないようにうまく巻きます。下手な人がやると葉っぱがスカスカになり、吸っているうちにゆるくなったり煙が一定して入ってこなかったりします。

フィルターはありませんので、肺に入れるとかなりキケンです。ふかしつつ口の中で煙を回して、ごくわずかな煙を呑んでみるという感じで、葉巻に近い感覚ですね。

この煙草は吸っていないと火が勝手に消えてしまいます。田舎のご老人たちは昼くらいに一本作り、時々一服ふかし、またあとで思い出したように火をつけてもう一服ふかし…という感じでかなり長く吸っている感じでした。

僕も真似して吸ってみたのですが、なかなかうまく巻けるようにならなかったのと、匂いがかなり独特で、口の中が紙巻きたばこを吸っていた時よりも臭くなるのでしばらくしてやめてしまいました。あと僕は煙を肺に入れるのが好きだったのでこれでは物足りなかったのもあります。

あとびっくりしたのが、この田舎煙草を指南してくれた人が、

「急いでいる時はこうやるんだ」

と言って、手でタバコの葉っぱを丸めてそのまま口の中に入れてしまったのです。

唾液にニコチンが染み出してくるのを味わうそうなのですが、僕には怖くてできませんでした。

最近の日本の禁煙ブームに思うこと

ここで冒頭の日本の禁煙政策の話になるのですが、まあ僕自身が元喫煙者なのであまり大きなことをいえた立場ではないのですが、少し思うところを書いてみたいと思います。

喫煙・禁煙のメリットやデメリットを語るつもりはありませんが、日本の禁煙政策は入口から間違えたと思います

タイは真っ先に屋内の禁煙を徹底しました。法で明確に禁止されているので店舗側も選択の余地はありません。しかし一方で、屋外での喫煙に関してはそこまでうるさくは言われません。

ヨーロッパのイギリスも、結構前にパブも含め屋内全面禁煙という法を整備しました。この時は愛煙家・嫌煙家・パブの経営者や飲食店で働く人まで含め大きな議論になったらしいです。テレビでパブの経営者が大反対しているのを見ました。

しかしイギリスは全国で全面禁煙を成し遂げました。英国紳士というといつもスーツをきてタバコをふかしている印象でしたが、そんなものに出くわすことはありませんでした。

またヨーロッパに旅行した時に思ったのですが、屋外では人通りの多い街の中でもそこそこ喫煙者がいます。歩いているとモワッととタバコの煙の匂いが漂ってくることは頻繁にあります。いろんな国から来た観光客もいて、マナーがいい人ばかりではないので吸殻もけっこう捨てられていました。

しかしそれでも、レストランで食事中に他人のたばこの煙を吸わされることは決してありませんでした。

日本はどうでしょうか?

駅のホームや外などは積極的に禁煙化してきました。歩きタバコも厳しく注意されます。しかし屋内はまだまだ店舗の判断にまかされています。ファミレスや喫茶店などで分煙ができているところもありますが、居酒屋や多くのレストランではまだ喫煙ができます。

日本は目くじらをたてるところを間違えたのではないでしょうか。屋外の喫煙もいいことではありませんが、屋内の喫煙に比べれば大した問題ではありません。屋内は煙の逃げ道がない分受動喫煙の危険性が高まります。

外を歩いていて漂ってきた煙では服や髪の毛・体に匂いが残ることはありませんが、喫煙可の飲食店にしばらくいれば匂いは確実に残ります。

「店舗内は所有者の敷地内だから、その中までは口を出せない」といいますが、他の国はどこも法整備できたのになぜ日本だけできないのでしょうね。

この話になると

「それがそこの店のルールなんだから文句を言うな」
「嫌なら全面禁煙の店に行け」

と言う人もいます。

では飲食店の経営者やそこで働く人はどうでしょう?彼らがもし非喫煙者であった場合、彼らが受動喫煙するのは仕方ないのでしょうか?なんていうと、

「自分でこういう商売を選んだんだから文句を言うな」
「嫌なら全面禁煙にしろ」
「全面禁煙の店を選んで働け」

と言われます。

まあ理屈的にはそうかもしれません。ですがみんなそんなに仕事を選んで食べていけるのでしょうか?この論理がまかり通るならば、

サービス残業、過労死、パワハラ、セクハラが日常茶飯事の労働環境にあっても、

「自分で選んだんだから文句を言うな」
「女(男)に産まれた自分を恨め」
「この仕事しか選べない自分を呪え」
「嫌なら起業しろ」

とすまされてしまいます。

労働環境に関しては法で規制されているのですから、タバコに関しても同じように法で規制ができるはずです。

当然、禁煙化に反対する飲食店もあるでしょう。実際、多くの飲食店は禁煙化なんかされたら客が飛んでしまうと思っているそうです。そんな声に折れてしまい「じゃあできるところからやろう」と言って、屋外の禁煙化に血道をあげたのは日本の政策ではないでしょうか。

これがそもそもの間違いで、最初の段階で「屋外は少しくらい多めに見るから、とにかく屋内の禁煙化を」とするべきだったと思います。

ロンドンのパブの話に戻りますと、ロンドンのパブは屋内は完全禁煙ですが、一方外に出たところに灰皿があり喫煙者はそこで吸えます。ちょっと煙が上がったからといって目くじらを立てられることはありません。

もっとも冬のロンドンなどで、冷たいビールをグラスを片手にタバコを吸うのもかなりの苦行ですが…

非常に感覚的な意見ですが、僕はタバコは21世紀の初頭に地位を失ったと思います。

たしか2002年くらいまでは、アメリカのレストランでもタバコが吸えていました。当時から分煙はしていたらしいですが、喫煙席がちょっと高いところにあるだけで、別室になってたわけでも何でもありませんでした。それが今ではアメリカは大の嫌煙大国です(彼らはマリファナは大好きみたいですが笑)

僕はつい数年前まではバリバリの喫煙者だったので、だんだん肩身が狭くなったり、駅などでは喫煙所を探して歩く時間が増えていることを肌で感じていました。しかしいつも不思議に思っていたのは、屋内の禁煙にはかなり緩かったことです。

居酒屋、パチンコ、雀荘といった場所はなんとなくわかりますが、美容院でパーマ中とかにタバコを吸いだす人が未だにいるくらいですからね。

アイコスは大賛成!

あと一言・・・アイコスと言う新しい形のタバコありますよね。「あれもダメだ!くさい!」と言う人がいますが、もしあなたがタバコを嫌いなのであればそれはちょっと待ってください!あれは従来のタバコに比べれば何百倍もマシだと思いませんか。

ちょっと焼き芋ふかしたくらいのニオイじゃないですか。服にもにおいはつかないし、煙だって水蒸気みたいなもんだし、なにより吸っている人が満足している感じですよね。

やっとこさ喫煙者と非喫煙者が共存できそうなものが出てきたのに、それにも反発した結果、禁煙化が膠着してしまうのはあればもったいないと思います。

アイコスとかプルームテックトとかを「第3のタバコ」でも何でもいいので、従来の紙巻きタバコとは違う形で法律で定義付けてそちらを積極的に認める方向がいいんじゃないかと勝手に思っています(^_^)

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