英語のプレゼンテーションを聞いているとよく、
「That said」
という表現が出てきます。
この表現は接続詞的な使われ方をするので、きちんと意味がわからなくても困ることはないのですが、そういえば正確な意味はどうなっているのだろうかと思い少し調べてみました。
初めて見たという方、曖昧なまま意味を覚えている方は、せっかくなのでこの機会に意味と使い方と類似表現をまとめて覚えてしまいましょう!
That being saidの類似表現
まずですが、That being saidには類似表現がいくつかあり、同じ意味のまま使いまわせるのでここで覚えてしまいましょう。
- That said
- That having been said
- With that said
- With that having been said
- Having said that
基本的には、「それが言われた」「それを言った」という意味があり、それを文法的に省略したりしているだけです。
全てを知らなくても、これらのうちどれか一つは見聞きしたことがあると思います。
面白いことに、これらの全ては文法的に正しい表現です。別に、一番短いThat saidは若い人だけが使う若者言葉とかでなく、どの表現でも文法的に正しく使うことができます。
That being saidの意味
That being saidは「とは言っても」「そうは言っても」「しかしながら」という意味で理解するといいでしょう。
少し例文を挙げてみましょう。
I love apples. That being said, I almost never eat them.
私はリンゴが好きです。とはいっても、ほとんど食べません。
That being saidはこのように、二つの文章のつなぎに使われ、最初の文章で話したこととは違うことや反対する内容をつなげる時に使います。
他の表現で言えば、「However」(しかしながら)とか「Even so」がこれに近い意味を持ちます。
またThat being saidは、「しかし」という逆説的な意味だけではなく、「だから」という感じの意味合いを持つこともできます。
「しかし」と「だから」って意味が全然逆の言葉じゃん!
と思いますよね。僕はそう思いました。
that being saidの同意語(synonym)を検索すると、たしかに「hence(ゆえに)」という意味もあります。しかし英語圏の人たちのthat being saidという言葉に対する説明をみていると「だから」という使い方を説明している人は全然いません。
しかし英語の話などを聞いていると、プレゼンテーションなどの話し言葉の中で文脈的にはどう考えても「だから」とか「(今まで述べてきた) その上で」という感じで順接的につないでいることがありました。
なので、「だから」という意味合いで使われるのは話し言葉で慣用的には使われるが、教科書的にはあまり正しいと思われてはいない表現なのかもしれませんね。またアメリカ、イギリスなど地域性も関係あるかもしれません。
私たち学習者としては、教科書的には「しかしながら」という意味で覚えるが、実際にはどちらの意味にもなりうるので前後の文脈から判断するというのが正解なのでしょう。