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タイでシートベルト義務化 - 朝令暮改?

2017年4月5日

タイでも日本並みの厳格なシートベルト着用ルール

タイでは、今日(2017年4月5日)から、シートベルトの義務化が始まったそうです。

このルール施行の背景は以下のニュースで詳しく説明されています。

要約すると

  • ソンクラーンのホリデーシーズンは、例年交通事故が多く、「危険な7日間」と呼ばれる
  • この期間だけで、2016年は3447件の交通事故があり、448人が死亡した
  • WHOによると、タイの交通事故死亡率は、リビアに次いで世界ワースト2位
  • 例年もっとも交通事故の多いソンクラーンのホリデーシーズンに向け、シートベルト着用のルールを強化する首相令に署名した
  • 今後は、後部座席も含めた全ての座席で、常時シートベルトを着用すべし
  • トラック、乗客を乗せるバン、県をまたいで運行するバスは全座席にシートベルトをつけるべし
  • バンは、乗客を13人以上乗せるべからず
  • バンは、緊急時のために、窓を大きくする、最後部の座席を倒せるようにする車体の改善を行うべし
  • タクシーは全5座席にシートベルトを設置するべし
  • 以上はソンクラーンの事故防止のための取り組みだが、上記の首相令はソンクラーン後も有効

てなことが書いてあります。

このニュースが2017/3/24に出て、それからわずか2週間後には施行されました。

かなり急いでいますね・・・

バンの改造とかシートベルト全席設置とか、こんな短期間で検査体制が整うはずも、検査が終わるとは思えません・・・

明らかに見切り発車ですね。

なぜこんなに急いだのかと言うと、ソンクラーンの時期に合わせて、取り締まりを強化したかったようです。

ニュース内にあるように、わかっているのに毎年多発する交通事故に対する憤りがあるようです。

タイ人が怒った

タイ人はこのニュースに怒りを爆発させたそうです。

妻に解説してもらうと、このルールのキモは全席シートベルトの義務化ではなく、

  • ピックアップトラックの荷台部分に人を乗せることを禁止
  • 2ドアのピックアップトラックの後部座席部分に人を乗せることも禁止

この2点だそうです。

ソンクラーンの時期には、ピックアップトラックの荷台部分に多くの人を乗せ、バケツや水鉄砲を使って水かけを遊びます。

荷台に乗った人は、酒を飲みながら踊ったり、バケツで大量の水を通行人やすれ違う他のトラックとかけあったりして、このお祭りを楽しみます。

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たしかに危険そうです。

僕もタイで車の運転をしますが、この時期はたしかに危険だと思います。

路上まで飛び出して来て水かけをする人や、走行中のオートバイに向かってバケツの水を浴びせたりとかなり危険なケースも目にします。

また、水に濡れてボディーラインがくっきり浮かび上がった若い女性なども多く見られ、これもまた注意力を逸らす危険になります。

さらに昼間から酔っ払って運転しているものも多く、事故に巻き込まれないようにかなり注意しないといけません。

 

そして、昨年はこの時期だけで448人もの命が奪われました。

今回の措置は、このような危険行為によって生じる悲劇を防ぐであり、そういうことを考えればたしかに一理あるそうですが、

タイ人の怒りを買ったのは、警察は、ソンクラーン後もこのルールを引き続き適用する予定だからだそうです。

 

そもそも、トラックの荷台に人を乗せないとか、スクーターには3人乗りしないとか、日本を含むいわゆる先進国では当たり前のルールなのですが、タイではあちこちで見られます。

チェンマイでは、僻地の山岳民族などが、30年前から来たようなボロボロのトラックに、肉体労働者をたくさん乗せて街に仕事をしに来る光景をよく見ます。

 

チェンマイを含め、タイの地方部には公共の交通機関が全くと言っていいほどないので、致し方ない部分もあります。

こちらでは、車の値段が土地付き一軒家よりも高いケースもあり、給与の中のガソリン代が占める割合もかなり高いのです。

村で一台のトラックを共用するという貧困な地域もあるそうです。

そのような状況もある中で杓子定規に全て禁止とすれば、社会生活ができなくなる人が出てくるのは十分に理解できます。

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(参考:http://www.khaosodenglish.com/news/transpo/2017/04/05/starting-now-cant-ride-back-truck-say-police/)

 

結果、一日で撤回したらしい

そして先ほど妻に聞いたら、あのお触れはもう撤回されたそうです。

わずか半日での撤回だったようです。

背景には、タイの庶民が相当怒ったことがあるようです。

「偉い人は車を何台も持っているから貧乏人の気持ちがわからないのか!」

「家族全員で移動して仕事をしなければならないんだ!」

「村にわずかしかないトラックをみんなで使って街に稼ぎに行くんだ!」

こんな怒りの声に、警察も対応を変えたようです。

法的にはどういう扱いになるのか知りませんが、通常、偉い人のメンツにもかけて撤回はしません。

その代わり、積極的に取り締まりをしないことにします。

 

タイには、先進国並みの法律がずらりと完備しているようです。

ですが、全てを馬鹿正直に運用したら経済や社会が立ち行かないようなものも多くあるようです。

なので、実現不可能なまでに完璧な法律を、現実に合わせて緩急をつけて運用する、というスタイルです。

 

とは言え、ある日突然、思い出したように取り締まりを始めるかもしれません。

オートバイのヘルメットも着用が義務付けられていますが、対応はかなり適当です。

警察が検挙を頑張っている日に、全く同じ時間に同じ場所を、ノーヘル2人乗りで通ったとしても、捕まる人と捕まらない人がいます。

噂によると交通違反の検挙は、検挙した交通警察のボーナスの財源になっていて、月々一定額までは徴収した違反金に応じて報奨金が支払われるそうです。なので、警官は、月初だけ頑張って検挙をして、その月の上限に達した警察官は、その月はもう検挙しないとか・・・

 

タイの人は今のところは安堵しているようですが、ソンクラーンの時期に事件・事故が多いことには変わりませんので、お互いに身の回りの安全には気をつけましょう (^_^)

2017/4/18追記

警察は、ソンクラーンのホリデーシーズン後から、ピックアップトラックの荷台も含め、取り締まりを再開する方針だそうです。

実際に取り締まられたケースもあるそう。

ですが、過去の例を見る限り、やはり本文で書いたように、気まぐれな対応になると予想されます。

とはいえ、法的には違反であることには変わりません。

この記事を読んでいる方で、ピックアップトラックの荷台で人を輸送する予定の人はあまりいないかと思いますが、観光地ではレンタルしていることもあり、免許の有無も確認せずに貸すこともあります。無免許は当然ですが、荷台に人を乗せるのも、シートベルトを着用しないことも違反行為なので、十分に注意しましょう。

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