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物価が上がり続けるタイ

2017年4月20日

物価が上がり続けるタイ

ソンクラーンの休み中に、久しぶりにあちこちで外食をしていたら、いろんなものが値上がりしていて驚きました。

タイでは、ホリデーシーズンなどにかこつけて、値上げをすることがよくあります。

日本は「脱デフレ」を目標にしていることからもわかるように、物価はほとんど上昇していません。

 

日本で値上げを感じたのは、消費税を8%に上げた時でしょうか。

あの頃は、税率が5%から8%へと3%上昇したことによる値上げ感ではなく、

それまで税込表示で統一していたものを、

増税後は税抜表示も認めるようになったことが一番の原因だと思います。

今後10%へと税率アップも予定されていたので、外税方式にするのが合理的だったのでしょう。

また、増税による値上げ感を隠すため、という魂胆もあったかもしれません。

この方式だと、手に取った時はお手頃と思っていても、いざレジで会計をすると途端に高くなります。

そのため、2度損をした気分になり、余計に消費税を意識させる結果を生んだと思います。

 

しかし、タイではそんなことはお構いなしに値上げをします。

消費者物価指数(CPI)という、消費者が実際に購入する価格の変動を表す指標を見ると、

2011年を100とした場合、2016年は106.6だそうです。

つまり、5年間で6.6%ほど値上がりしたという感覚になります。

 

正直なところ「たったそれだけ?」と思いました。

僕の感覚では、もっと値上がりしていると思っていました。実際、5年間で50%以上値上がりしたものもあります。

特に、生活に身近な屋台などで、かなり速いスピードで値上げが起きていると思います。

最低賃金の上昇が原因?

なぜ急速に物価上昇が起こっているのでしょうか?

2013年にインラック政権が行った最低賃金の引き上げが最大の要因ではないかと考えられます。

この賃上げでは、全国均一で一日300バーツへと引き上げました。

 

それ以前は、最低賃金は地域ごとに異なっていました。

2011年には首都バンコクの最低賃金は一日215バーツで、さらに低い地域もありました。

それが、わずか2年で全国一律で最低賃金は一日300バーツになりました。

地域によっては2倍近くに上昇した地域もあります。

 

地域差を考慮せずに上から押し付けた格好の全国一律の賃上げに、懸念を示す人もいました。

「企業は賃上げした分、人員を削減しようとするので、落ちこぼれる人も出て来る」

「賃上げをすれば、製造業は自動化を進めたり、より安い国への移転をするので、結果として職は減る」

「賃上げ分がそのまま物価上昇になるから労働者が豊かになるわけではない」

このような指摘もありましたが、大多数の人は喜びました。

 

しかし、やはり物価上昇が起こりました。

さらに、2016年には、上昇した物価に対応するため、再度最低賃金を引き上げるべきとの提言があり、2017年1月からは、再度最低賃金が上がっています。

値上げの例

ここで、僕が実際に体験した値上げの例をいくつか紹介しましょう。

毎年10月に値上げするタイラーメン屋さん

タイには、毎年10月に菜食期間というものがあります。

この期間は、肉や刺激の強い食べ物、お酒を控える人が多くいます。

宗教的な習慣ではありませんが、「この機会にデトックスしよう」と言って、ベジタリアン料理を食べる人が多くいます。

 

肉料理がメインなお店は、この時期にお店を閉めてしまうところもあります。

僕が好きなタイラーメン(グイティアオ)屋さんも、毎年この時期は1週間お店を閉めます。

グイティアオは、豚の骨で出汁をとり、豚肉や魚の団子がたくさん入っているので、この期間は商売あがったりなのでしょう。

 

そして、休み明けにお店に行くと、値上げがされているのです。

お品書きの値段の部分をテープで覆い、上から新しい値段がマジックで書いてあります。

僕が初めてこのお店に行ったのは2013年で、この時「並(タマダー)」のラーメンが一杯30バーツでした。

トッピングが少し豪華になる「上(ピセーッ)」は40バーツでした。

それが2016年には並が一杯50バーツ、上は60バーツまで上がりました。

 

このお店のラーメンはもともと小ぶりなため、男性は2杯食べる人も多くいます。僕などは3杯食べることもありました。

ですが、この値上げに伴い、1杯だけで済ませる男性客を多く見るようになりました。

2杯食べるとそれだけで100バーツになってしまい、タイの物価感覚から見ると、これはすでに気軽な昼食の範疇を超えています。

 

また、似たようなケースになるので全て紹介しませんが、他にも同様のケースは多くあります。

共通しているのは、2013年頃は30バーツ前後のものが、2017年時点では50−55バーツに値上がりしていることです。

多くの店はホリデーシーズンなどの書き入れ時に便乗値上げ的に値上げをしています。

マッサージ屋さん

僕がよく行くマッサージ屋さんは、2014年には1時間150バーツでしたが、2017年には1時間180バーツに値上がりしています。

こちらも悪びれることもなく、値段表の古い価格をテープで覆い、新しい値段をマジックで書いています。

ガラスとかに書いてある場合、古い値段が透けて見えるので、値上がりの歴史を見ることもできます。

値上げ回避の究極形

もう一つ、これもタイラーメンなのですが、こちらは少し面白いケースなので紹介しましょう。

日本では、値上げをする代わりに少しずつ量を減らすケースが多いですが、これはその究極系とも言えるお店です。

このお店、過去30年間値上げをしていないのです。

お店にも「30年前と同じ値段」と書いてあるように、ラーメン一杯3バーツなのです。

その代わり、どんぶりが手のひらサイズでなのです。

どうです?可愛い器でしょう?

女性でも一人10杯近くは食べられると思います。

ちなみに、30年前はきちんとした大きさのどんぶりだったそうです。

物価が上がっていないものも多くある

今まで紹介したように、タイでは信じられないようなペースで物価上昇していますが、全く値上がりしていないものや、むしろ前よりも安くなったものもあります。

僕が日常生活で一番感じるのは、

ガソリン、携帯電話の回線、インターネット接続

です。

タイも日本同様ガソリンを輸入に頼っていますが、日本よりも安くなっています。

交通機関も整備されていないので、政策的に庶民の負担にならないようにしているのだと思います。

携帯回線・インターネットは、どこの国でもそうだと思いますが、技術の発達と普及が進むにつれ安くなっています。

実際には2013年頃から価格据え置きなのですが、同じ値段でADSLから光ファイバーに変わったりと、サービスは改善しています。

物価上昇にはどう対応するべきか

このような物価の上昇にはどうすればいいのでしょうか?

預貯金がたくさんあるお金持ちの方には切実な問題です。

インフレ下では、お金の価値は相対的に目減りしていくので、せめてインフレ率と同じくらい利息を得る努力をあります。

しかし、物価上昇とは裏腹に、タイの銀行の金利は下がっています。

数年前は3%近い金利が付いていましたが、今は1.5%くらいのものが多いようです。

貯蓄型の保険などもあり、銀行の窓口で勧められることもありますが、期間の長さと得られるリターンを見ると、ぼったくりとしか思えない内容のものが多い印象です。

金や不動産を保有する人もいるようですが、金は、売買するたびに手数料がかかるし、紛失した時のリスクは大きいし、素人の僕の目には丁半博打に見えてしまいます。

不動産に関しては、タイでは固定資産税がタダ同然で、しかも相続税はないので、タイ人の富裕層にとっては有効な資産の逃げ場となっているのでしょう。

しかし、外国人は土地の所有ができません。

コンドミニアムの所有はできますが、こちらはかなりハイリスクに見えます。

未完成の物件を、パンフレットだけ見て予約し、さらには未完成のうちに、次の人に転売していく、ババ抜きゲームです。

実際に住むことはできますが、これらの物件はファミリー向けでないことが多い上、

タイ人ならば同じ金額で郊外に大きな庭付きの一軒家が買えるので、需要はほぼ外国人限定になってしまいます。

また、いずれのケースも、不動産は売りたいときにすぐに売れるとも限らないので、緊急時に売り急いだりしないように長丁場を覚悟しないといけないようです。

こちらでは、銀行が差し押さえた物件が多くあり、「売り出し中」という札が付いているのですが、何年も買い手がつかない物件をよくみます。

これは考えるほどに難しい問題だと思います。

僕個人の意見は、もし僕がお金持ちだったら、お金はタイに集中させず、株式を長期的に保有する形にするかなと思います。

リスクがあるとはいえ、株価の方が物価に合わせて伸縮しやすいし、確実に目減りするとわかっている現金で持つよりはいいかなと思います。

さらにいえば、自己投資に回したり、ある程度気持ちよく使っていくのも重要なのかなと思っています。

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