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タイの宝くじ付き預金について

宝くじが大好きなタイの宝くじ付き定期預金

タイには宝くじがついた定期預金というものがあります。販売しているのは「オムシン」と呼ばれる銀行です。オムシンはタイ語で貯金という意味です。オムシン銀行の英語名称はGovernment Savings Bank、日本語でいえば「政府貯蓄銀行」といったところでしょうか。

 

僕もオムシン銀行の宝くじ付き預金を2016年の9月に50万バーツ分買ってみて、購入をきっかけにこの預金についていろいろ調べてみたので、以下の内容にまとめてみました。

  • オムシンの宝くじ付き預金とは
  • 仕組みと内容
  • 個人的な感想

オムシンの定期預金の仕組み

オムシンの定期預金は3年満期です。2015年までは5年満期のものもあったそうですが現在は販売していないそうです。

利率は年利0.25%(2016年現在)です。満期になると0.25%の3年分、つまり0.75%の利息が一度に受け取れます。途中解約は可能ですが、解約してしまうとここの利息分がほぼ相殺されるようなペナルティが課されます。

ここでは便宜上「定期預金」と書いていますが、実際には国債などの債権というのが正確かもしれません。購入すると以下のような証書を渡されます。

最低購入単位が50バーツ以上となっており、50バーツごとに宝くじの番号が一つ与えられます。上の例の場合、「ง」組の「0515475〜0525474」までの10000番号となります。

そして月に1度、宝くじの抽選が行われ、当選番号は毎月16日にオムシンのホームページで発表されます。

当選金があった場合はオムシンの普通口座に支払われるので、受け取りや交換に行く必要はありません。なお、自動再投資みたいなオプションはありません。

誤解しやすい点

日本にはジャンボ宝くじがもらえる定期預金などがありますが、オムシンの定期預金はそういう商品とは異なります。

タイにも公営の宝くじがありよく街には売り子がいます。よく外で食事をしていると売りに来る下の写真のような宝くじ券でやっているあれですね。

公営の宝くじ

しかしオムシンの宝くじはこの宝くじとは一切関係ありません。オムシンの宝くじは、あくまでこのオムシン銀行の定期預金の参加者の間だけで行われる宝くじです。

遊び心のある貯蓄

オムシンの宝くじ預金は、50バーツ単位からいくらでも買えるのが魅力です。毎月300バーつずつなど、少額の買い増しを行うお客さんもいるそうです。コツコツ貯めるへそくりみたいな使い方ですね。

妻の複数の友人から「10万バーツ分購入したら2年後に3万バーツの当選金が振り込まれていた」といった話を聞いたこともありますが、実際には「どのくらい当たるのか?いくら当たるのか?」と少し気になったので、次はオムシンの宝くじに当選確率と当選金を見ていきましょう。

総本数の推測

自分の手元にある証書にある番号をみると、まず7桁の数字が目に入ります。ここで1000万通りです。

さらに「組」のようなものがあります。ここはタイ文字やアルファベットが入ります。

タイ文字って何文字あるんだろと思って調べてみると42文字あり、アルファベットは26文字ですね。つまり合計すると68 文字になります。

1000万通りの番号を68通りの組の数でかけると、6億8000万・・・

さらにさらに販売時期を示す数字もあります。例えば「第92期」みたいな感じです。おそらく月単位で「期」が変わるのだと思われます。

この預金は3年満期なので、どの時期にも必ず36期分の預金者が存在することになります。

つまり・・・6億8000万を36倍・・・ざっと2448億通りになります。組とか期とかは、1等賞などの高額当選の賞にしか使われないものなので気にする必要はないですが、天文学的数字であることは間違いありません。

当たり番号と当選金の一覧

宝くじは最大で2500億通りの組み合わせがあることがわかりましたが、実際にどのくらいの確率で当たるのか?ここでは、2017年3月17日に発表された実際の結果を見ながら賞と当選金の一覧を見て行きましょう。

9等賞=下4桁が当たり

当選番号は2つで、当選金は150バーツです。

1万枚持っていれば、毎月必ず2つは当たり300バーツを得ることができます。1枚50バーツなので、1万枚だと50万バーツですね。

8等賞=下5桁が当たり

当選番号は2つで当選金は300バーツです。

7等賞=下6桁が当たり

当選番号は2つで当選金は400バーツです。

6等賞=7桁全部当たり

当選番号は3つで当選金は1万バーツです。

5等賞=7桁全部当たり・・

当選番号10個で当選金は5000バーツです。なぜか6等賞よりも当選本数が多いのですが、大した意味はないと思われます。

4等賞=7桁全部当たり・・・・

当選番号は5個で当選金は1万バーツです。

3等賞=7桁全部当たり

当選番号は2個で当選金は2万バーツです。

2等賞=「期」と「組」と7桁全部当たり

当選番号は2個で当選金は100万バーツです。

1等賞=「期」と「組」と7桁全部当たり

当選番号は3個で当選金は1000万バーツです。

リターン率を計算してみる

1等の当選金は1000万バーツで、毎月3人の人が当選。

3年間で抽選は36回あるから、36 x 3、つまり108人もの人が億万長者になれるんですって!あらやだすごい!といいたいところですが、実際には当たる確率はかなり薄いでしょう。

オムシン銀行の当選結果の発表ページを見ていると、こんな表記があります。

下4桁当選総数:3624280

下4桁の9等賞は、毎回2番号抽選されますので、2/10000、つまり5000分の1の当選確率です。

これの当選総数が3624280であることから、実際に出回っている宝くじの総数を計算しこの宝くじのリターン率を計算してみました。

するとこの宝くじ1回あたりの推定リターン率は0.11149%であることがわかりました。そしてこれを年率に直すと1.338%です。

冒頭の方で書いたように年利0.25%の利子もあるので、それと合計すると1.588%となります。(2017年現在)

これをいいとみるか悪いとみるか、これがオムシンの3年定期預金を購入するかどうかの判断となりそうです。

当選金は再投資されない点に注意

仕組みの説明の中でも書きましたが、宝くじの当選金は普通預金の口座に振り込まれます。

投資において重要なことは利益を再投資をして複利効果を得ることだといわれますが、オムシンでは何もしないと再投資されないので注意が必要です。

少し面倒になりますが、ショッピングモールに買い物に行ったついでなどにオムシン銀行に立ち寄り買い増しするなどの複利的な運用をするといいかもしれません。

僕は50万バーツ購入したので、最低でも毎月300バーツの当選金があります。

「月300バーツだからいいや」

と思って放置していますが「チリも積もれば山となる」のが投資の王道です。

それはわかっているのですが、ちょっと300バーツずつ買い増すなんてのもちょっと面倒ですよね。これが投資信託とかなら自動的に再投資できるものも多いのですが、オムシンではすべてが手動です。ここがオムシンのデメリットといえるかもしれません。

個人的感想

オムシンの宝くじ月定期預金は仕組みとしては比較的単純で、政府銀行がやっているだけに安心感もあります。そして遊び心が楽しい貯蓄手段ともいえますね。

先ほど計算した通り、平均的な年利は1.558%と推定しましたがこれは全参加者の平均です。全部の宝くじ番号を一人で独占した場合年利1.558%で増えますよという感じです。

実際にはごく少数の高額当選をした人はウン万%となり、その他大勢は1%ちょいのリターンとなるでしょうからその可能性を受け入れた上での判断が必要です。

1%でも日本のゼロ金利を思えば高い金利に見えるかもしれませんが、タイは今でもインフレを続けています。どこかで見た数値だとインフレ率は4%だそうです。つまり、現金や預金の資産価値は年利4%で増えていかないと目減りするともいえます。

僕はお金のことには疎いのですが、それを踏まえた上で申し上げるならばこの預金にはそこまでの価値はないと思っています。

「自分で50万バーツも買っておいて何をいっているんだ」と思われるかもしれませんが、これはこの記事を書いている中で感じた感想でもあります。

僕たちにとって50万バーツは決して小さなお金ではないので、「損なものを買ってしまったかな?」と今ではちょっと思っています。

ですが、月に一度の発表を楽しみにしている自分もいますし、まあ現金で持っていてもうっかり手をつけてしまいそうなので、こうやった手を出せないところに分けてしまうのはよかったかなと思っています。

購入してから7ヶ月ほど経ちましたが、これまでに3600バーツほど当選金があったそうです。

他の銀行の預金と比較した上で、大差がないならばこれを選択するのも面白いと思いますね。僕がタイに来た数年前はまだ金利も高かったのですが、そのあとは金利が下がり続けているので、もし他の銀行の金利も五十歩百歩ならば、これは面白いと思います。

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