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タイのLGBTへの懐の深さ

2017年4月19日

タイ観光の目玉の一つにオカマショーというものがあります。美しいオカマに思わず目を見張ります。

今回は、僕がタイで日常生活する中で見聞きしたことを紹介したいと思います。

 

ゲイ・・・男性が好きな男性で、男性の容姿をしています。ジー・エー・ワイと一文字ずつ読まれることもあります。

 

ゲイの人は、見た目ではわからないことが多いです。

ですが、こちらの人はあまり隠すこともありませんので、誰かが教えてくれます。

さすがに、本人から初対面で「僕はゲイです」と言ったりはしませんが、大体の場合、周りにいる人が「彼はジーエーワイだよ」と教えてくれます。

でも、別にバラしてやったとか、別に何か深い意味があるような感じではないんですね。

なんか「彼はラーメンが好きなんだよ」くらいの軽いノリで教えてくれます。

妻の娘にはゲイの友人が多く、話を聞いているとゲイの友人が複数登場します。

 

 

僕の個人的なイメージでは、筋肉隆々でピチピチのシャツを来ている人、というイメージを持っていましたが、そこは人それぞれで、そうでない人もいます。ただ、物腰が柔らい人が多いように感じています。

前に、ゲイの人を家に呼んで全身マッサージをしてもらったことがあります。

そうなったのも、妻が、

「姪っ子の友達がマッサージがうまいらしい。ゲイなんだって」

「呼べば家まで来てやってくれるんだって。呼んでみる?」

と何度か聞いてきて、僕はコリがひどく女性のマッサージでは物足りないと思っていたので、お願いしてみました。

 

現れたのは特にごく普通の男性でした。スポーツ刈りよりは少し長い短髪にメガネをかけ、上下ジャージを着ていました。別にムキムキでもありませんでしたし、話し方もごく普通でした。

ゲイと言われなければまず気づかなかったと思います。

肝心のマッサージは少し力不足でしたが・・・・

僕がマッサージを受けている間は、妻もなんとも思っていない様子でした。

 

レディボーイ ・・・ 男性が好きな男性で、女性の容姿をしています。いわゆるオカマです。

女性顔負けのインパクトのある容姿がいることから、このグループが一番話題性がありますね。

昔、動物園のアトラクションでダンスショーのようなものがあったのですが、なぜか露出をしたがるダンサーが一人いて、ショーの最後の方で故意に上半身を全てはだけて胸が露出してしまったのですが、そのダンサーはレディボーイでした。

 

動物園のショーは、乳幼児や小中学生とその父兄が多くいる場所なので、こんなところであれをやるのはいただけないとは思いました。

レディボーイはあちこちにいるので、接する機会も多いと思います。

僕がいつも行く美容院は、美容師が全員レディボーイで、シャンプーとかをしてくれるスタッフは女性です。

あと、警察・役所・銀行などの窓口にもごく普通にいます。

 

僕はいつもレディボーイの美容師さんに髪を切ってもらっています。相当な美人さんです。

散髪は妻と一緒に行くことが多いのですが、妻が何かいうこともありません。

たまに、妻と冗談で浮気の話になりますが、「女はダメだがレディボーイなら許す」と言われることがあります。

僕も「レディボーイの方が優しいし、PMS(生理前にイライラする症状)もないからいい!」とか言い返していますよ (^_^)

意外と真面目にそう思っているんですが、レディボーイに関しては怖いニュースも聞きます。

レディボーイと同居している恋人(男性)がいて、レディボーイの方は毎日仕事に行くのに、恋人は全然仕事をしないことに腹を立てたレディボーイが、寝てばかりいる恋人にひと蹴りいれたところ、恋人の男性は内臓破裂でそのまま死亡してしまったそうです。

PMSはなくとも、腕力は強いままなのですね、恐ろしや・・・

 

 

また、タイで有名なのは、徴兵のくじ引きのニュースですね。

タイは徴兵制があり、対象は男性なのですが、最終的に徴兵されるかどうかは、くじ引きで決めるのです。

招集された男性たちが会場に集まり、くじを引き、あたり(ハズレ?)を引けば徴兵されます。

この会場には毎年、目を疑うような美貌の男性が現れ、ニュースの話題となります。

 

また、こちらのテレビでは、レディボーイがよく登場します。

よくみるネタは、レディボーイが女の子ときゃっきゃっ女子トークで盛り上がっているところにレディボーイの携帯がなります。

電話の主はレディボーイのお父さんで、レディボーイは一瞬うろたえますが、すぐに深呼吸して、咳払いをして、電話に出ます。

電話に出るなり、低い男の声で「やあ、父さん・・・え?女の格好?僕が?するわけないよ、父さん」みたいな感じで会話をするのです。

興味深いのは、これはタイでもレディボーイはいけないことだと考えられている証拠だということです。

 

少しシチュエーションは違いますが、こういう広告もあります。

これは、美人な女性がIKEAで買い物をしている時に、思わず興奮して男の声が出てしまうというものです。

とはいえ、この広告はトランスジェンダー(性転換をした人)の団体は、IKEAに公式な謝罪を要求する事態になったそうです。

ですが、今でもテレビなどで似たようなネタが使われているところを見ると、どのくらいタブー視されているかはわかりません。

 

トム ・・・ こちらは、男性的な容姿をした女性で、女性が好きな人です。トムボーイの略です。

男である僕は、このグループの人には気づかないことも多くあります。

直接話す機会はありませんでしたが、いろいろなところにいます。

 

僕が気づくときは、トムと女性のカップルで、男の人がやけに腕や肌などが綺麗な場合、顔や足の大きさなどを見て、総合的に判断します。

妻に「トムかな」と聞くと「そうだよ」と言われることが多いので、あながち判断基準は間違っていないようですが、意識していないと気づかないことが多いものです。


 

僕が上に挙げたのは、タイで日常生活をしていれば、僕のように生活範囲が限られた人間でもそこそこの頻度で見る人たちですが、それ以外にも、LGBTの種類や呼び方などはたくさんあるそうです。

例えば、トムが好きな女性は、外見は他の女性と変わリませんが、ディーという呼び方があるそうです。

これはあまり細かいところまで行くと、なんとかフェチみたいな感じの分類になってくるのかなとも思いますが・・・

 


 

タイが本当にオープンだと思うのは、おかまショーなどもそうですが、日常生活をしている中にレディボーイやトムの人が多く出てくることにあります。

最近、性的マイノリティの割合は7%程度だというニュースを見たのですが、これってどこの国でもだいたい同じなのかなと思っています。

つまり、性的マイノリティの人はどこの国でも一定の割合で存在して、社会がそれを抑圧したり隠したりするかどうかで、見た目上の数に違いが出ると考えています。

例えば日本の場合、なかなか堂々とできない社会があり、タイの場合、それが抑圧されにくい環境にあって、結果として、より高い頻度でLGBTの人と接するのかと思います。

とはいえ、日本では命まで奪われることはないのは救いですね。同性愛者の子を恥に思い、我が子を殺す親がいる国だってあるのですから。

 

以上、僕がタイの生活で接する機会のある性的マイノリティと、少ないながらそれにまつわる体験を紹介してきました。

タイの社会は驚くほど寛容です。対して、日本は厳しめな部類に入ると思っています。

僕が学生の頃、ある先生は、ことあるごとに男性同性愛のことを「ケツ」と言って、蔑んでいました。

例えば、文化祭があると「女を追っかけるのは許すがな・・・でもな、ケツは絶対ダメだぞ!」とかいう感じで、強引にそちらに方向に話をつなげては、汚いもの扱いをしていたものです。この先生は、よほど嫌いだったのでしょう。

どこの国にも一定の割合で性的マイノリティがいるのならば、同様な割合の平均的な集団もいて、また同様な割合で性的マイノリティを極端に嫌う集団が一定数でいることでしょう。

日本の場合、反対する集団の方が優位ですが、タイの場合は、逆なんでしょうね。タイの中にも本当は毛嫌いしていて声を上げたいのに、声を上げられない、というある意味では逆のマイノリティも存在するのかもしれません。

そうやって考えていくと、キリがないものですね。

人の人生なんてあっという間、周囲と自分を切り離し自分の好きなように生きて行くのが、楽しく生きる秘訣かもしれません。

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