海外によく行く方の悩み
海外留学や転勤が決まったり、海外にしばらくの期間滞在する場合、日本のことをどうするか悩むことがあります。
「今住んでいる住居はどうするのか?」
「住民票は海外転出にするのか?」
などから始まり、ほかにも考えるべきことはたくさんあります。判断基準は滞在の目的や期間によって変わってきますし、日本に身近な親族がいるかどうかも重要なポイントです。
そして、住居や住民票に比べれば優先順位は低めではありますが、
「日本の携帯電話回線をどうするか?」
も決めなければなりません。
僕は以前、長期間日本を離れるときに大手キャリアの回線を残したままにして、日本に全然いないのに毎月8000円払い続けるという非常にもったいないことをしてしまいました。帰国時にはすぐに使えるというメリットはありますが、それだけのために年間10万近いお金を払うのは痛すぎます。
お金のことだけを考えれば解約するのがベストですが、今の時代スマホは生活必需品ですから、やはりすぐに使えるようにしておきたいですよね。
そんな時どうしたらいいか、いくつか方法を紹介します。
回線を休止する
大手キャリアのサービスは「休止」をすることができます。留学などで年に一度くらいしか帰国する予定がないという場合、休止は有効な選択肢かと思います。
しかし個人的には休止はあまりいい方法とは思っていません。その理由を以下の通りです。
休止するたびに事務手数料がかかる
休止は何度でもできますが、休止をするたびに事務手数料が発生します。これはキャリアによって変わりますが、手数料は1000円から3000円となっています。
他社に乗り換えずに契約を維持しておいてくれるいいお客さんなのに、なぜそこからさらにお金をむしり取ろうとするのでしょうね。
休止期間中も「保管費用」がかかる
さらに悪いことに、休止期間中も維持費用も毎月発生します。わざわざお金を払って休止にしたのに、なぜさらにお金がかかるのか?大手キャリアの説明を見ると「情報の保管」という名目だそうですが、何を保管するんでしょうね。
料金はキャリアによって異なりますが、料金は横並びで月額400〜500円かかります。
月額400円というと、アップルのiCloudで200GBのストレージプランに入れますが、キャリアにお金を払って保管してもらうデータってなんでしょうか?
顧客データ?それとも最近はほとんど出番のないケータイメール(キャリアメール)?名目はともあれ、iCloudの200GBと比べると法外に割高ですね。
帰国後は再利用の手続きが必要
そして極めつけは、帰国時はすぐに使えず、携帯ショップに出向いて再利用の手続きをしないと利用できないというものです。
帰国の頻度が低い場合はそれでもいいと思いますが、海外勤務やロングステイなどで数ヶ月単位で日本と外国を行き来するような場合は、その都度休止と再利用の手続きをするのはかなり面倒です。
こんな時は格安SIMが便利
大手キャリアは高すぎるので、日本を離れている間そのまま払い続けるのはもったいない。
かといってその都度休止・再開の手続きをするのも面倒。
解約したらお金はかからないけど、帰国時に便利な通信手段がなくなってしまうので不便。
格安SIMサービスはこうした人に最適なサービスで、上記の問題をすべてキレイに解決してくれます。
これは僕自身の実体験ですが、僕はソ●トバンクから格安SIMのLINEモバイルに乗り換えることで、月々8000円以上かかっていた料金を1200円にまで削減できました。
大手キャリアならば年10万円かかっていた料金が、格安SIMに切り替えたらたったの年15000円。85000円の節約です。
「格安」というネーミングから「安かろう悪かろう」をイメージする方もいると思いますが、音声通話も高速データ通信も問題なくできます。格安SIMはドコモ、au、ソフトバンクのいずれかの通信インフラを使っているので、つながりやすさは大手キャリアと同じです。
僕が選んだ月1200円のプランはデータ容量少なめのプランですが、僕は外で動画を見まくるといった使い方をしないので、これで事足りています。データ容量を圧迫しそうなことといえば家族との通話ですが、LINEモバイルなら、LINE通話は音声通話もビデオ通話も容量無制限で使い放題なので安心です。
もちろん必要に応じてデータ容量の追加購入もできますし、仮に7GB、10GBと購入したとしても大手キャリアよりもまだまだ安いのです。
月1200円という納得の低価格なので、休止とか再開といった面倒な手続きはせず、いつでも利用できる状態にしてあります。
さらにいえば、オンラインから月単位で料金プランを変更できるので、
- 日本にいない時期は最安値のプランにして維持費を最小化
- 日本に帰国する月だけプランを大容量プランに変更
- 海外に戻ったらまた最安値プランに戻す
なんて使い方もできます。ネットで完結するので、帰国前に海外から操作できます。
維持費が圧倒的に安くなる
格安SIMならば、契約したままほったらかしでも年間15000円〜20000円で維持することができます。
一方の大手キャリアは、ほったらかすと年10万円近くかかります。
日本を離れるたびに休止することもできますが、そこまで安くなりません。仮に帰国するのが年に2回で3ヶ月だとすると、
- 休止手数料が6000円(3000 x 2)
- 帰国時の利用料が24000円(月8000円を3ヶ月で計算)
- 休止中のデータ保管料が4500円(500円 x 9ヶ月で計算)
ギリギリまで節約しようと頑張っても、それでも34500円となってしまうのです。そして致命的なのが、休止と再開のたびにショップに出向くという超絶面倒な作業が必要になります。
これらをまとめると、
- 大手キャリアとの契約を継続 ー 年間10万円
- 大手キャリアで休止再開をその都度行う ー 年間3.5万円と、手続きに時間もかかるし、帰国前後は使えない
- 格安SIM ー 年間15000円程度で、手続き不要で帰国と同時にすぐ使える
となります。
こう考えると、格安SIMにするだけで問題のほとんどが解決することがわかります。いくらスマホは生活必需品とはいっても、何の対策もせずに大手キャリアとの契約を放置するのはもったいないと思います。せっかくならスマートに節約して、浮いたお金で帰国時に温泉旅行に出かけたりお土産を買ったりしたいものですね。
電話番号を変えずに乗り換え可能
最近は電話番号の重要性が以前よりも下がったとはいえ、それでも電話番号が変わると面倒もあるので、そのまま引継ぎたいという方も多いと思います。
大手キャリアから格安SIMに切り替える場合でもMNP(モバイル・ナンバー・ポータビリティ)が使えるので、現在お使いの電話番号はそのままに格安SIMに乗り換えられます。
なんか難しそうに感じるかもしれませんが、コールセンターのオペレータはこの処理に慣れているので、指示に従うだけでスムーズにできます。
格安SIMに乗り換えて大満足
僕自身も大手キャリアから格安SIMに乗り換えたのですが、大して使ってもないのに毎月8000円くらい取られていたお金を節約できて本当に嬉しかったです。
別に大手キャリアに恨みがあるわけではありませんが、複雑怪奇な料金体系で、安くもないのに「実質半額」とか謳い文句だけ派手で、それを大手3社が談合でもしたかのように横並びで同じことをやっているのに辟易していたので、格安SIMのおかげでそういう横暴に対抗する選択肢が手に入ったので、これを利用しない手はありません。
じつは僕は自分の母親にも「IIJmio(みおふぉん)」という格安SIMを紹介しました。母親は日本に住んでいますが、動画やSNSをガンガンやるわけでもないのに毎月1万円近くを大手キャリアに支払っていたのです。
「今の時代、スマホは必要だってみんながいうから…」
といって始めたスマホですが、歩きながらゲームをやって動画をみるようなヘビーユーザーではなく、外出時に地図や天気、メッセージ、ちょっとウェブを検索する程度で、まさに格安SIMがうってつけでした。母親は現在は月1400円くらいでスマホを持てて非常に満足しています。
僕は先ほども少し書いたように、「LINEモバイル」を利用しています。
LINEモバイルのメリットは
- 月額1200円程度で音声通話とネットが使えるSIMを持てる
- LINEのチャット、音声通話、ビデオ通話が容量無制限で使い放題
- 4Gの高速通信の容量ごとに料金が変わるが、データ容量を使い切っても3Gで使い放題
- Facebook、Instagram、TwitterなどのSNSも容量無制限で使えるプランもある
- 月単位でプランを変更できるので、海外に行く時だけ最安値のプランに切り替えることも可能
といったところですね。LINEというと若い世代というイメージがあるかもしれませんが、別にLINEを使っていなくても普通に便利です。回線は、ドコモ回線、au、ソフトバンク回線から選べるので安心です。
代表的な格安SIMサービス
現在は数多くの格安SIMサービスがあり、どこがいいかわからないという方のためにいくつか代表的な格安SIMサービスを紹介します。
LINEモバイル - LINEが運営する格安SIM。ドコモ、au、ソフトバンクのどの回線でも選択できる。LINEとメジャーなSNSのデータ無制限プランがある。家族とのLINE通話が無制限でできるので僕はこれを使っています。
mineo (マイネオ) - 早くからドコモ、au、ソフトバンクから選べた格安SIMサービスです。
IIJmio(みおふぉん)- こちらも有名ですね。ドコモ、auから選べます。僕の母親はこれを利用していて、携帯代が8000円から1500円になったと喜んでいます。
MVNOは他にもたくさんありますので、これらの代表的なサービスをまずは検討してみてはいかがでしょうか。