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ビートルズで英語を勉強した若き日の話

突然ですがビートルズってご存知ですか?

「知ってるよ、当たり前でしょ!」と思われた方、すみません。

僕は中学生の頃に学校で聞いて魅了されたのですが、今でも学校で聞いたり教えたりしているのかわからず聞いてみました。

僕は音楽が大の苦手なのですが、それでもビートルズは大好きで、若い頃は夢中になってビートルズの歌の歌詞を覚えたりしていました。そして今でも強く思うのは、

ビートルズの歌は英語の学習素材としても非常に優れている

ということです。

今回はビートルズと英語学習について思うところを昔を振り返りながら書いてみたいなと思います。

ネットが普及する前の情報収集

今はネットの時代なので、気になった曲があればすぐネットで聞いたり歌詞を調べたりすることができますが、僕が10代の頃はインターネットがまだ普及しておらず、音楽を聞くにはCDを買うか借りるか、テレビやFMなどの放送で聞くくらいしか方法はありませんでした。そういえば当時はレンタルビデオ・CDのお店がまだまだ全盛でしたね。

また歌詞に関してはさらに入手困難で、歌詞付きのブックレットが付いているきちんとしたCDを買うか、本屋さんで「ビートルズ全歌詞集」みたいな本を立ち読みするくらいしか手はありませんでした。

例えば、ある日FMで突然ビートルズの曲がかかります。カッコイイ!と思い、初めて聞くその曲を食い入るように聞くのですが、曲はあっという間に終わってしまいます。当然歌詞もわかりません。DJが曲名を教えてくれることもありますが、曲名の紹介って曲の前だったり曲の後だったり、場合によっては全く紹介しなかったりするんです・・・

そうなると、うろ覚えのメロディーとおぼろに聞き取れた歌詞だけで「あの曲をもう一回聴いてみたい」と思わけです。

それで本屋さんに行って、ビートルズ全歌詞集みたいな本を手にとって、「あのとき聞いたあの曲はどういう歌詞だったんだろう」

「ん?もしかしてこの曲じゃないか?あのサビの部分とここの歌詞、そういえばぴったりじゃないか?」

みたいな気の遠くなることをやっていました。「その本を買えば?」と言われそうですが、中学生の僕はお金がなく、ビートルズ全歌詞集みたいな本は3000円とかする高級品だったため買うことはできなかったのです。

今の時代ならば、スマホのアプリでFMの曲名を調べることは簡単にできますし、Shazamなどのアプリを使えば、アプリに歌を数秒間聴かせるだけで曲名やアーティストまで教えてくれます。ビートルズの歌を聴きたいと思えば、YouTubeで検索すればいくらでも聞けますし、歌詞を知りたいと思えばGoogleからすぐに検索できます。

しかし当時は、みんなテレビやラジオの番組表をチェックして、「あ、今日はFMで○○の特集やるんだ。聴かなきゃ!」で、その時間が来たら部屋にこもって、みたいなことを普通にやっていたわけです。

そう思うと色々ともどかしい時代だったなぁ、そして今は便利な時代になったなぁと思うと同時に、自分ももう年だなぁとしみじみと思います。

文法的に教科書のような歌詞

中学生の頃にビートルズに魅了された僕は、高校生になってもその気持ちは変わらず、アルバイトをするようになったらそのお金で全てのCDを書いました。CDだけでなく、「ビートルズ全曲解説」なる本も購入しました。その本にはそれぞれの歌がビートルズのどのメンバーによってどのようにして作られたのか、そして楽曲中の楽器を誰が演奏してどこか聴きどころなのか、この控えめならがも安定感抜群のドラムがこのバンドを支えてきたのだ、なんてウンチクも頭の中に蓄積していたものです。

しかし悲しいかな、以前に書いたことがあるように僕は歌が大の苦手で、好きな歌をみんなで歌うという楽しみ方をすることはできませんでしたが、僕は全ての曲の歌詞を暗記するほどに聞いていて、それが高校時代の英語の成績にも多少は寄与していたと思っています。

ビートルズの歌は、初期、中期、後期と時期によって性格が変わります。

初期の頃はカバー曲に加えティーンエイジャーのラブソング的な歌がかなり多く、どの曲もライブで演奏されるために作られていました。中期になるとより内省的な歌詞や皮肉っぽい歌詞が目立ち、サウンド的にもスタジオでレコーディング技術を駆使して作り込まれ、ライブで演奏するものではなくなりました。そして後期になると原点に帰ったようにシンプルなものになります。

興味深いのは、どの時期の歌詞であっても文法的には非常に整っていて、歌詞の全てをSVOC(主語・述語・目的・語補語のあれです)に分解することができ、そのまま英語の教科書に使えるくらいのものばかりなのです。

アメリカのポップソングなどは、そのまま文章にすると文法的におかしな部分があるのです。僕のような非ネイティブが「おかしい」ということ自体がおかしいのですが、キャッチーな歌詞にする上で、文法的な正しさからあえて外れるという意味で、これは日本のポップソングでもよくあることでしょう。

しかしビートルズの場合、ほとんどの曲において非常に文法的に正しい英語で、さすがイギリスのバンドだと思わされます。

美しい発音

ビートルズの歌は、歌詞だけでなく発音に関しても美しいイギリス英語がベースとなっています。

ビートルズのメンバーはイギリスの北西部リバプールの出身で、インタビューや会話などで話しているときはかなり強い訛りがあります。しかし歌を歌うときはそのような訛りは一切なく美しい発音で歌います。

そのため、ビートルズの曲は英語の学習に非常に適しているといえます。

もちろん他の好きな歌手の曲でもいいのですが、僕自身は学生時代にビートルズを聴き、歌詞から単語や表現、文法を勉強することができたので、僭越ながら昔のことを思い出しながら皆さんにも紹介したいなと思います。

 

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