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宝くじの期待値と確率の考察、そして必勝法を真剣に考えてみた

2020年3月8日

一等5億円が当たったらあれをしてこれをして・・・
お父さん宝くじ100枚も買ったんだって!当たったらおすそ分けしてもらわなきゃ!

なんて夢が膨らむ宝くじですが、一方で

宝くじにお金を使うなんてもったいない!

という人もいますがいったい何が正解なのでしょうか?今回はそんな宝くじについて考察してみます。

各種ギャンブルの還元率

まずは各種ギャンブルの還元率を見てみましょう。

宝くじの還元率が群を抜いて低いことが分かりますね。宝くじの還元率は当せん金付き証票法という法律によって五割以下と定められており、それ以上にすることはできません。

結論からいってしまうと、この圧倒的な還元率の低さだけで宝くじを買うことはもったいないことだと思います。

明らかな政府主導の利権・集金装置でボッタクリギャンブルであるものの、宝くじの売り上げは年間8000億円を超えています。これほどまでに支持されている理由を考えずに「もったいないからやるな」だけで片付けてしまうわけにもいきません。

ちなみにですが、宝くじの還元率が低いのは日本に限った話ではありません。タイの宝くじの還元率も50%となっていて日本と同じです。だからといって、「宝くじの還元率を高めろ」という声は聞こえてきません。宝くじは存在意義は「夢を売る」ことであり、ごく少数であっても億越えの高額当選者が毎回生まれる以上、負けてもほとんど気にしない人が大半という性質があるからです。

宝くじでも還元率が違う

宝くじの還元率の上限は50%なのですが、それでも宝くじの種類によって若干違いがあります。こちらの表をみてみましょう。

スクラッチくじ、ロト、ナンバーズ、ビンゴ系といった常時開催しているくじの還元率が低いことが分かります。一方、師走の風物詩でもあり多くの人が購入する年末ジャンボ宝くじの還元率は上限ギリギリに設定されています。

スクラッチくじには要注意

ここまで見ても宝くじが分の悪いギャンブルであることは間違いないですが、これらの宝くじの中でも特に注意が必要なのはスクラッチくじでしょうか。

普通の宝くじは購入したら抽選日まで待つだけですが、スクラッチくじは購入したその場で結果が分かります。しかも、およそ8分の1の確率でなにかしらの賞に当選します。大半は200円や300円の少額なのですが、1000円や3000円といった金額も現実的な確率で当たります。

少額当選ばかりだけど結果がその場でわかる上にそこそこの確率で当たるのがポイントです。頻繁に「当たり」の実感が得られ、もっと続ければそのうちいい賞が当たる気になってしまうのです。

ここに危険性が潜んでいて

「10枚買う →削る → なにかしら当たる → 換金 → (自分の財布からお金を足して)また10枚買う」

というループに陥ってしまうのです。理由は「なんか当たりそうな気がすること」で、これはパチンコののめり込みと非常に似た性質といえます。海外ではスクラッチくじの依存症が社会問題となっている国もあるそうです。

ダントツに還元率が低いスクラッチくじに依存して搾取されるくらいなら低レートのパチンコを打った方がはるかにいいと思います。

高くじの収益金の使い方

続いて宝くじの収益金の使われ方をみていきましょう。こちらは宝くじ公式サイトというサイトから引用しています。

まず46.5%が当選金として還元され、みずほ銀行の取り分と経費が14%、そして残りの4割近くは公共事業や社会貢献の財源として使われています。

宝くじが広く認められているのは、この社会貢献の側面があるからではないでしょうか。

「当たらなかったけど、自分のお金が世のためになるならいいかな。パチンコよりマシ」

と思っている方も多いでしょう。

宝くじにまつわる数字と確率

さてここで、宝くじをよく買う人でもあまり意識していない宝くじにまつわる確率や数字をいくつか紹介しましょう。ここでは多くの方が注目するジャンボ宝くじを例に挙げています。

  • ジャンボ宝くじ(年末ジャンボ以外)の一等当選確率は1000万分の1
  • 年末ジャンボ宝くじの一等当選確率は2000万分の1
  • ジャンボ宝くじ(年末ジャンボ以外)で1億円以上の高額当選確率は333万分の1
  • 年末ジャンボで1億円以上の高額当選確率=667万分の1
  • 3000円の一綴りで高額当選する確率は33万分の1
  • 100万円分の宝くじを大量に買ったとしても高額当選率は1000分の1

いかがでしょう。天文学的な確率ばかりが並びましたね。

ジャンボ宝くじの開催は年に5回なので、仮にジャンボ宝くじのたびに3000円ずつ買うと約7万年に一度高額当選するかどうかという確率です。まあたったの3000円で億単位のお金を得ようと思ったそうなってしまいますよね。

でも恐ろしいのは、仮に年500万円で約17000枚の宝くじを爆買いをしたとしても200年に一度しか当たらない確率なのです。

YouTuberの企画とかで「宝くじを100万円買ってみた結果・・・」みたいなのがありますが、あれは理論的には50万近くをドブに捨てる行為といえます。おっとっと、ドブじゃなくて天下太平のための事業でしたね。まあYouTuberの場合、自分の知名度を高めたり広告収入でそれ以上のリターンがあると損得を計算した上でやっているのでしょう。

このように宝くじは、広く浅く集めたお金から50%をお上が中抜きして、残ったお金をごくわずかな人間の手に落とすシステムです。当選確率は天文学的で、「買い続ければ当たる」というのは決して嘘ではありませんが、それは少ない試行回数でたまたま超低確率の抽選を突破した人が結果論でいっているに過ぎないのです。

当たった人に「どうして当たったんですか?」と尋ねれば「そりゃ買ったからだよ」というに決まっていますからね。逆に大半の人間が「何年も買い続けたのに全然当たらない」という結果に終わっているのです。でも誰もそんな敗者にはインタビューしませんから。

宝くじをやるべきか

たとえ宝くじに人生をひっくり返すほどの夢があったとしても、期待値(還元率)から理屈で考えればやる価値があるかどうかは一目瞭然です。50%の下落を続けると発売元が公言している金融商品に投資をしたいと思う人がいるでしょうか。それと同じです。

ただ一筋縄ではいかないのは「高額当選の夢」と「宝くじの収益金は公共性の高い事業に使われる」点なのかなと思います。

自分の投げたお金が世のために使われるならいいという考えは崇高ですが、本当にあなたのお金が本当に有意義に使われているのかは疑問です。昔と比べればかなりよくなったとは思うものの、どれだけの人が政府のお金の使い方に納得しているのでしょうか?

今でも年度末になると改修工事と称して、道路をひっくり返して埋めているにしか見えない工事が行われています。社会貢献事業としてほとんど使わない施設を建設や維持に使われたりすることもあるでしょう。税金は合法的に収奪されるですが、宝くじは自ら進んで税金を搾取されにいっているようなのかもしれません。

また、見通しがちですがみずほ銀行が持っていく14%の取り分の妥当性だってわかったもんじゃありません。宝くじの運営は「すでにノウハウがあるから」という理由でずっとみずほ銀行が請け負っています。この競争が働いていないシステムの中で、総務省からの天下りに限らず、他にどんな非効率があるかはわかりません。

売るときには一攫千金を煽り、負けた後には公共性の高いからと水に流せという。ここにお金を落とす行為こそお上の思う壺なのかなと思います。

なんてことをいうと、

「大晦日にみんなで盛り上がるだけなのに大げさな」
「パチンコやるよりはマシだろ」
「こういうちょっとした楽しみもわからない退屈な人にはなりたくないわ」

なんていわれそうですが😅

でも金銭面で考えた場合はあまりにも分が悪すぎる勝負なのは議論の余地すらありません。しかし宝くじの価値を「みんなと盛り上がる」「夢を見つつ楽しむ」といった精神的な効用に見出すのであれば話は変わってきます。楽しみをお金で買っているのだといわれれば、それはもう個々人の自由としかいえません。

結局のところ、金銭面と精神面のメリットデメリットのバランスは人それぞれ異なり、宝くじをやるかどうかの判断基準はそのバランス感によるものなのでしょう。

僕の場合ですが、僕は友達がいないので宝くじの結果で盛り上がる機会もないですし、どうせ自分のお金を使うなら知識や努力次第で他人と差をつけられるゲームを好むタイプなのでいずれにしても宝くじに魅力を感じません。むしろパチンコの方がマシだと思っているくらいですから。

しかし、「あの売り場が当たりやすい」、「大安とか何かの記念日とか縁起のいい日に買う」とか、「連番で買うといい、いやバラで買った方がいい」、「引き寄せ効果のあるパワーストーンを身につけるといい」とか、そういうことを攻略法だと思っている人も一部にいますが、理屈で考えれば宝くじの抽選は(少なくとも見かけ上は)完全にランダムであり、どの売り場でどんな日にどんな番号を買っても当選確率は同じです。当選確率を上げる唯一の要素は「何枚持っているか」だけです。

極端な話、宝くじをすべて買い占めることができれば当然一等にも前後賞にもすべて当選します。これは必勝法なのでしょうか?

いいえ。日本中の宝くじを買い占めると、自分の投じたお金が50%以下になって返ってくるのです。これが宝くじの期待値の本質なのです。

宝くじよりももっと夢のある話

「宝くじはもったいない、やめろ」というだけでは「それじゃつまらないだろ」となってしまうので、最後にもう少しだけ個人的な考えを。。。

僕ならば、宝くじを買うお金の余裕があるなら株を買ったほうがいいと思います。株というと財務諸表やニュース、チャートを見ながら買ったり売ったりして難しいと思うかもしれませんが、もっと簡単な買い方があります。

たとえば投資信託です。投資信託というと証券会社の運用のプロにお金を託して運用してもらい、大損することもあって怖いみたいなイメージがあるかも知れません。

しかし中にはローリスクローリターンな性質を持つものもあります。代表的なものはインデックスファンドです。これは日経225やTOPIX、NYダウとかナスダックといった株価指数と連動するように機械的に株を買ってくれます。

指数が上がれば、その指数に連動した投資信託の価値もその分上がるという具合です。となるとどの指数を選ぶかがカギになってきます。日経のようにまったく成長せず「失われた30年」なんていわれる指数もあるので注意が必要です。

僕個人としては「外国(先進国)株」もしくは「アメリカ株」がいいと思っています。

新興国のものもありますが、手数料が高いので個人的にはあまりオススメではありません。新興国の成長は先進国の成長にもつながっていくので、どうせなら透明性と効率性が高い先進国株を買っておけば、新興国の成長分も吸収できると思っています。

僕自身、自分の確定拠出年金の運用は先進国株のみにしています。ちなみにですが、NYダウ指数の過去100年間の平均上昇率は5%だったそうです。5%というと高すぎる気もしますが、物価も上昇していますし、世界恐慌も第二次世界大戦もその他の不景気もバブルもすべて平均した数字なので都合よくいいとこ取りしたわけでもないでしょう。

VintageToneより引用

ジャンボ宝くじのニュースを聞くたびに宝くじを買っていたという人の場合、そのお金を先進国株やアメリカ株などのインデックスファンドを購入してみるというのは面白いと思います。

ここでは一例として、ジャンボ宝くじのたびに50枚(15000円)、50年買い続けたという人を想定してみましょう。その場合、宝くじの総購入額は375万円にも上ります。しかも期待値は50%以下なので、平均リターンは180万円以下です。しかし宝くじにおいては平均リターンなど無意味です。この例の場合、0.37%の確率で高額当選をしますが、99.6%以上の確率で高額当選を一度も果たせぬまま人生を終えてしまうのです。

仮にそのお金を宝くじではなく投資信託に積み立てたとしましょう。以下がそのシミュレーションとなります。

これによると積み立てた375万円が1667万円となります。実に驚くべき数字ですね。50年前からNYダウの指数に投資していれば、別に何か特別な才能や幸運に恵まれなくても平均的にこのくらい利益を得られたとういことですから。

もっとも当時はインデックスファンドもなければ(世界初のインデックスファンドは1975年に誕生)、そもそもインターネットがなくネット証券会社もなかったので、毎月6250円なんて少額では投資をできなかったでしょうし、管理も非効率的で今のような低い手数料で運用できなかったでしょう。

ですが今を起点に考えるならば、これと同じことが起こると期待するに十分な理由はあると思います。「もうそんな成長期はこない」という意見もありますが、僕はそうは思いません。

人間とはそもそもが欲深い生き物であり、そして資本主義というシステムはあくなき成長を目指し続けるシステムで、加速度的に進化してきた技術を考えると、資本主義がなくなるくらいの革命が起こらない限り成長は止まらないのではないかと思います。万が一資本主義が破綻するなら、その時はお金持ちとか貧乏の定義すら書き換えられているわけですし、もしそんなことが起こったとしても、それは誰にとっても同じですからね。

チャートを見ると、年を経るごとにグラフの伸び方が鋭くなっていくのが分かりますね。これはいわゆる複利効果によるものですが、宝くじのような一撃で億という夢はなくとも、これを眺めているだけでも楽しいのではないでしょうか?

50年経っても宝くじ熱が醒めていなかったら、その時はその増やした1667万円で、ジャンボ宝くじを5万枚買って一発勝負するといいかもしれません。

「え?!ここまでがんばって貯めたのにそんな使い方したらもったいない!!」と思ったのなら、今であれ50年後であれあなたにとって宝くじは価値がないものかも知れません。この1667万円だって最初はわずかなお金からスタートするわけですからね。

まさに千里の道も一歩からでしょうか。

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