英語で文章を書くにあたって、「文末のピリオドの後にいくつスペース(空白文字)を打つべきか」という議論があるのをご存知ですか?
日本語では文末の句点(「。」のこと)の後にスペースを入れる必要もないため意識することはありませんが、英語では、文末のピリオドの後にスペースを一つ入れるか二つ入れるかが議論になることがあります。
文末のスペースは一つか二つか?
ネットで英語サイトの情報を探すと、「スペースは一つが正解、異論は認めない」という意見を多く目にするのですが、僕自身はずっとスペースを二つを使っています。
とはいえ僕も、英語を使う仕事を始めた当初はスペース一つで文章を書いていました。特に意識していたわけではなく、何も考えずにスペースを一つ打っていました。しかし当時の妻(アジア出身ですが10歳くらいからアメリカに移住)から、「スペースは二つ入れなきゃいけないんだよ(mustだといっていました)」と教えられました。
最初は半信半疑で「本当かいな」と思い、メールボックスにあるアメリカ人が書いた英語のメールをくまなくチェックしたところ、ほぼ全員がスペース二つ付けていたことに気づき、それ以降はスペース二つを貫いています。
ちなみに、スペース一つと二つではどう見えるのか見比べてみましょうか。
スペース一つの場合
Hi, my name is Taro. I am from Japan.
スペース二つの場合
Hi, my name is Taro. I am from Japan.
とこんな感じです。
これは使用しているフォントにもよるので一概に言えませんが、上の文章ではどちらの方が読みやすいですか?
個人的にはスペース二つの方が読みやすいですね。
では、なぜ「スペース一つが正解!異論は認めない」などのような意見が出てくるのでしょうか?
英語のサイトで説明されていた内容をまとめてみました。
スペース一つ派の主張
ではスペース一つ派の主張を少しみてみましょう。
- そもそも、スペースを二つ入れるのは、ワープロが登場するよりも前の時代のタイプライター時代の名残である。タイプライターではスペースの幅が均一ではなかったため、文章と文章の間がわかりづらくなることがあるから、スペースを二つ開ける必要があった。しかしワープロの時代になるとスペースの幅は自動的に調整されるため、スペースを意図的に二つつける必要はなくなった。
- アメリカではスペース二つはよりも一つ派の方が多数派
- スペース二つだと、文章が古くさく見える
- マスメディアやマイクロソフトの発行物の書式ガイドなど、多くのスタイルガイドはスペース一つを採用している
このような感じです。
スペース二つ派は?
上の主張をみていると、スペース二つを使っているのは頭が堅い時代遅れだと言わんばかりの論調ですね。
しかし中にはスペース二つを推奨している人もいますが、スペース二つは学術論文などではまだ使われるが、少なくともビジネス文書では使うべきではないという意見が多く、どうも劣勢のようです。
スタイルガイドがある場合はそれに従う
文書やウェブサイトの製作の仕事などでは、文章やデザインに関するスタイルガイドがあり、アメリカ英語で書くのかどうかはもちろん、書き方のトーンや表現まで細かく規定されていることがあります。そのような場所で明確にスペースの数が規定されている場合は、それにおとなしく従うのが正解ですね。
決まりがない場合は好きな方を選べばいいと思う
さて僕自身は上で書いたような英語でものを書くような難しい仕事をしているわけでもないため、どちらで書いても困るわけでもなく、現在は自分の選択でスペース二つを使っています。
もっともこれまで見たように、英語圏の人でもかなり意見が割れているので無理して今すぐにどちらかに矯正する必要はなさそうです。
僕がスペース二つが正解だといわれたのは今から15年近く前のことなので、あれから時代はかなり変わったのかもしれませんね。
まあ時代に合わせるという意味ではスペース一つにした方がいいのかもしれませんが・・・
最後にもう一度、スペース一つと二つを見比べてみましょうか。
スペース一つの場合
Hi, my name is Taro. I am from Japan. This is an apple. I like coffee. Do you like tea? Yes you do.
スペース二つの場合
Hi, my name is Taro. I am from Japan. This is an apple. I like coffee. Do you like tea? Yes you do.
こうやってみると、やっぱり僕はスペース二つ派かなぁと思います。どうみても文章の切れ目がわかりやすいと思います。