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ビジネス英語のメールの書き出し方

英語でメールを書くとき、どのような書き出しにするべきか手が止まってしまうことはありませんか?

僕が学校で英語を習った頃はまだインターネットが普及していなくても、「電子メール」なんてワードすら知りませんでした。当時はメールではなく手紙の書き出し方を教わったものです。

メールも手紙も基本的な考え方は同じでいいと思いますが、手紙とは違う部分もいくつかあります。

もちろん書く内容や状況によって選ぶ言葉遣い変わります。書く人の性格や出身国に受け取る相手によっても書き方は変わってきます。 一つの決まった正解はないのですが、今回はいくつか、無難な基本表現を紹介しようと思います。

社内のメールを送る場合

外資系企業などで働いていて社内向けにメールを送るケース。 こういう職場のメールでよく見るのは以下のパターンです

John,

このパターンが一番一般的です。いきなり相手を呼び捨てにしてぶしつけな感じがするかもしれませんが、これで問題ありません。

これだとちょっと寂しいという場合は

Hi John,

Hiをつけると少し優しい印象ですね。個人的な感覚では、イギリス人はHiを好み、アメリカ人は書き出す人はほとんどいませんでした。 イギリスの人と仕事をした期間が長かったせいか、僕も「Hi」を好んでいます。ただ相手の国とかを見て表現を変えるのも面倒なので、一度決めたら一貫して同じものを使うようにしています。

Hello John,
Dear John,

これらも無難な表現です。同僚同士のやりとりではあまり使っている人はいませんでしたが、使う人は一貫してこれらの言葉を使っていました。

Hey John,

メールの書き出しにHeyを使うのは、アメリカ人に多くみられました。日本人から「おい」みたいな感じでブロークンな印象を受けますが、別に悪意も何もありません。

お客さん相手でもHeyと呼びかける人もたくさんいます。お客さんも別に何もなかったかのように返事をしていたので、これはこれでOKなのでしょう。 おそらくフレンドリーさを出す意図だったのでしょうね。ただ日本人の僕は、メールで相手をHeyと呼びかける気にはなれませんでした。

相手によってあまり変えない

相手が男性か女性かによってあまり書き方を書き方を変えることおありません。

ファーストネームで呼び捨てるのは躊躇してしまうかもしれませんが、外国人同士ではごく普通に使われています。 相手が上司であってもファーストネームによる呼び方で基本的に問題ありません。日本では「○○部長」などのようにわざわざ肩書きをつけて呼ぶこともありますが、外国では役職で相手を呼ぶのを一度も見たことはありません。

相手がCEOで自分がペーペーであってもファーストネームで呼びます。むしろ上司であっても同僚なので、Mr. とか Ms. などをつけて呼んでいるとかなりよそよそしくて逆に不自然になってしまいます。

最悪の場合、敵意があってイヤミでやっているのかと思われるかもしれません。 この辺りは国や業種によるのかもしれませんが、僕が勤務していたアメリカのIT系企業でははファーストネームの呼び捨て以外の呼び方はありませんでしたし、呼び捨てにされたと気分を悪くするような人もいませんでした。

さらにいえば、同僚の役職や年齢、入社時期を基準に相手の呼び方を変えるようなこともありません。日本ではまず相手の年齢を探り合い、相手が年上だとわかるとさんづけと敬語で対応するようになりますが、外国企業においては、そもそも相手の年齢を聞くということがありませんでした。

複数人を呼ぶ場合

複数の人に向かって呼びかける場合は

Guys, Folks, All, Team,

みたいな感じで呼ぶことがあります。

注意は必要なケースがあるのは「Guys」でしょうか。Guyという言葉はそもそも特定の性に紐づいた呼び方ではないという意見があり、女性も含んだグループに対してGuysと呼びかける人も多くいます。

が、まれに「いやそれは男性を指す言葉だ」という人もいました。無駄な論争を避けたければ、guysという言葉自体を避けるのが無難かもしれませんね。僕はメールにおいてguysという単語を一度も使ったことはありません。僕の場合

Hi all,

で統一していました。 まあこうした表現に関しては、リーダーや上司が自分のチームメンバーに向かって呼びかけるイメージなので、ペーペーの僕にはあまり必要がなかったとも言えますが。

回りくどい挨拶は不要

手紙では時候の挨拶みたいなものがあり、書き出しにはこのような挨拶文から始まることがありますが、メールにおいてはこのような回りくどい表現は好まれません。 書き出しくらいは上に挙げたように相手の名前を呼びかけることから始めても、そのあとはすぐに用件に入ることがほとんどです。この点はラクですね。

日本で言うところの「お疲れ様です」「お世話になります」といった表現もありませんし、必要とされていません。

ある企業では「効果的なコミュニケーションの取り方」といったトレーニングがあり、その中においては 「相手の状況を考慮して、場合によっては一切の挨拶を省いて必要な用件のみを書くのも重要」 だと教えているものもありました。

これにはメールを受け取る相手がどんな状況にいるかを想像しないといわれました。たとえば、メールを送った人は毎日何百通ものメールを読む立場かもしれません。また空港や客先にいてYesかNoかだけを簡潔に知りたいという状況にいるかもしれません。

つまり挨拶で飾ることだけでなく、相手の立場や状況を考えてあえて単刀直入にいくのもマナーだというのです。 これが逆に、以下のような丁重な文章だったらどうでしょう?

○○部長 お疲れ様です。

先日の食事は先に抜けてしまい失礼いたしまし。
私も皆さんと親睦を深められて光栄です。

さてお問い合わせいただいた件ですが、私の方で同僚と内容を確認いたしましたところ、部長のおっしゃる方法で実現可能となります。

あなたの上司は、メールを開封してから答えにたどり着くまでに文章を読まなくてはなりません。 これは単にドライとか合理主義というだけでなく、やはり文化も言語も異なる人同士が働くので、不要な齟齬を避けて確実にコミュニケーションを取るための知恵なのかと思います。

相手が顧客でもファーストネーム

先ほど、相手が上司でもファーストネームで呼び合うと書きましたが、これは相手が顧客であっても同じです。

これはもちろん、業種や相手によるでしょう。たとえば、相手が学校の先生や政治家のような人物であったり、そうでなくても面識も接点もあまりなさそうな場合などはやはり丁重な呼びかけになるでしょう。またホテルやレストランなどの業種であれば、Mr.やMrs.で丁重に呼ぶのが自然でしょう。

僕の場合、僕らはシステムを開発・提供する側で、顧客はそのシステムを導入する企業という構図でした。それも単なる店舗と客というよりも、共同でプロジェクトを立ち上げて何ヶ月、場合によっては年単位で仕事をする関係なので、より親密な関係になっていたのかもしれません。 なので一概にどれが正解ということはありません。こういう時は英語ネイティブの同僚などがどのような接し方をしているかよく観察するのがいいと思います。

社外の知らない人の場合

社内の同僚、すでに知っている顧客ではなく、全然面識もない人とやり取りすることもあります。 例えば、勤務先の年金プランを提供している外部の証券会社のサポート担当とか、トレーニングプログラムを提供している会社、会社の業務で使っているソフトウェアのサポート窓口、出張先のホテルなど、そういうケースですね。 こんな時僕は、以下のような表現を使っています。

Dear Sir or Madam,

ちょっと古めかしいとは思いつつも、なんか安心感があります。

Dear XXX Support Team,

これも相手が部署などで特定の名前を知らない時などにも使います。 あとは

Hello, I'm writing to ...

みたいな感じで書き出すこともあります。

日本でのみ通用する「さん」づけ

さて、メールに関してはいえば日本でのみ使われる表現というのもあります。それは英語のメールなのに「さん」づけをするということです。

John-san,

みたいな感じで相手のファーストネームの後ろに「さん」をつけるのです。

これは外資系の日本法人などではごく一般的に使われている表現なので、その場の雰囲気に合わせて使うのが正解だと思います。 しかし個人的な意見をいえば、これはやめるべきだと思っています。なぜかというと、それは日本でしか通用しないローカルルールだからです。

英語は世界共通のビジネス言語であり、非英語圏の他の国の人たちも使っています。たとえばですが、中国では目上の人を「先生(xian-sheng)」と呼ぶそうですが、そんなことを知らない人が大多数でしょう。「さん付け」をするというのは、たとえ強要していなくてもローカル文化の押し付けとなりかねません。

とはいっても、日本人の血が流れている以上、日本人の上司をファーストネームで呼び捨てにするのには抵抗感がありますよね。

なのでこれはもう「日本人の感覚」で気まずくない選択をしておけばいいと思っています。たとえば、上司を呼び捨てるのに抵抗があるなら、そこは普通にYamada-sanとかやっておけばいいかと思います。

小さなミスははじめは気にしない

いずれにしても、メールの書き出しがおかしいだけで全部ダメになるなんてことはないので、深く考えなくても大丈夫だと思います。 外国人が日本でメールを書くと、あちこちにおかしな表現がありますが、そこに目くじらをたてることはまずないでしょう。それよりも努力して日本語で書いてきたことを褒めたいくらいですよね。 英語学習者は多いので英語を使っただけで褒めそやされるということはありませんが、世界には非英語圏の人間がたくさんいて、そういう人たちは不自由ながらも努力していることを理解してくれる人もいます。ごく稀に、世界には英語しか存在しないと思っている視野の狭い人もいますがそれはかなり例外的だと思います。

個人的なオススメ

メールの書き出しだけでこんなに長くなってしまいましたね。 最後に、僕自身はどのようにしているのか少し紹介します。僕は基本的には

Hi John,

という感じで書き出していて、このスタイルをとにかく統一しています。相手の役職が上とか下とか、アメリカ人かイギリス人か、社内の人か顧客かなどを考えず、とにかく統一しています。 小さいことが気になってしまうのが日本人ですから、そういう小さいことをなくすためにあえて単純化しています。 いずれにしても、ここの書き方を少し間違えただけで致命的な影響が出るなんてことはありません。 英語ネイティブの人たちは、非英語圏の人たちとのやりとりに慣れていて、悪意がなければ言語的なミスは気にしませんし、多少の間違いには寛容で、内容を理解・推測してくれます。その中で徐々に修正していけばいいかなと思っています。 完璧を求めずにどんどん使ってみる、これが学習においては重要かなと思います。

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