前回、インド出張に関する備忘録として、ビザや両替などについて書いたのですが、今回は食事やトイレなど、現地で過ごす中で感じたことを書こうと臣生ます。
前回の記事はこちらからどうぞ ↓↓
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インド出張の備忘録 - ビザ、両替、クレジットカードなど
先日インドへ出張をする機会がありました。 行ったのは南部のチェンナイという都市で、一人での出張でした。 出張も久しぶりなのですが、インドへ訪れたのが今回が初めてで、久しぶりに新しい国へ行ったなと思った ...
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インドの食事はお腹を壊す?
まずは食事についてですが、僕自身はそこまで大きな問題なく過ごすことができました。
ですが、味や好みは別の問題としても、以前に現地へ出張した人が、屋台の料理を食べた後に食中毒を起こし数日間にわたり苦しんだという話も聞いていたので、衛生面や鮮度に関しては特に神経を尖らせていました。
そのため、特に以下の点については徹底していました:
- 食事前に手を洗う
- 屋台の料理は食べない
- フルーツや生野菜など、鮮度面で不安のあると感じたものは口にしない
手洗いなどは当然といえば当然なのかもしれませんが、僕は意外と食前の手洗いはおそろかだったりします・・・そのためかインド滞在中は手洗いとうがいに関してはいつも以上に意識しました。
屋台については、火が通っていれば大丈夫とも思いましたが、インドは暑さだけでなく、車の排気ガス、そこら中に捨てられたゴミ、さらには路上で生活する犬、牛、山羊たちの糞便などが風に吹き上げられ食べ物に付着する可能性も十分にあります。
実際、普通に外に出て少し歩いただけで涙目になるほどしみたり、喉がイガイガする感覚はあったので、免疫がなくてムリに冒険をしたくない方は避けておいた方が無難かと思います。
僕の場合、タイに長期滞在して食べ物や水にあたった経験もあるので、多少は慣れているつもりでいましたが、僕が滞在したチェンナイの衛生状態はタイよりも悪いと感じたので油断を怠らないようにしていました。
以上の点を意識していたためか、幸いインド滞在中に深刻な下痢などに襲われることはありませんでした。
インドは肥満大国?
食事に関してもう一点。
出発前は「インドに行ったら食あたりなどでやつれちゃうかも」なんて心配をしていたのですが、実際にはその逆で、「ここにいたら太ってしまう!」と思うほどでした。
そんなに美味しいものばかり食べていたのかと言われるとそんなこともなく、昼に関してはほぼ毎日のようにオフィス内にあるカフェテリアで食事をしていました。その昼食は1食50〜70ルピー(100円前後)で、毎日変わり映えのしない味で、お世辞にも美味しいとはいえなかったのですが、とにかくボリュームがすごかったです。
例えばこんな感じです。
上の段は左から、カレーを薄めたような汁、酸っぱいマンゴーのピクルス、お米を揚げたような感じのもの、薄めたヨーグルト汁です。
下の段はご覧の通りで、左がカレー、右がライスとなっています。
こんなの食べたくない!という方もいるでしょう。僕は海外生活が比較的長かったためか、食に関するストライクゾーンがかなり広くなっていますが、日本の食事に慣れている方はこれだけでホームシックになるかもしれませんね。
僕は「さすがに飽きるなぁ」なんて思いつつも、かといって外に出るのも面倒なので毎日こんな料理を食べていました。
ただ問題を挙げるならば、ボリュームが半端ではないことでしょうか。これは「社食」に限った話ではなく、外でも常に感じていました。ご飯はいわゆるインディカ米でパサパサしているのでそこまで重たく感じませんが、これでもかというくらいに盛り付けてきます。
盛り付けてくれる人はおたまみたいなものでご飯を盛り付けるのですが、黙ってみていると「これでもか!」ってくらいに山盛りにしてきます。
どうやらこちらでは、客側が「もういい」って思ったところでストップをかけるのがスタイルのようです。
これは昼のカフェテリアですが、ホテルなどの食事でも同様でした。
「もういい!」
って言ってるのに手を止めずに盛り付けてきたり、もう食べ終わった後なのに
「うちの特製のビリヤーニ(味付きのご飯)を食べてみて」
といって無料でサービスしてくれることもありました。
これも「もう食べられない」と断ったのですが、「少しだけでも」と押し切られました。
しかもそのサイズが「少しだけ」とは程遠いボリュームで、せっかくの厚意なのにまるまる残すのも失礼かと思い、かなりムリして食べるようなこともありました。
ホテルのレストランなどでも、食べきれずに残して会計をお願いしたら
「なにか問題でもありましたか?」
と何度も聞かれました。単にボリュームが多かっただけなので、もう満腹だと伝えたのですが、何か問題があったと思ったウェイトレスが、埋め合わせのつもりなのかデザートをサービスで用意してくれました。
これもせっかくのサービスなので残しては失礼かなと思い無理して食べるという感じで、とにかく空腹感を感じている時間がほとんどなく、いつも膨れたお腹を抱え、何も食べていない時間も常にゲップが出るような状態が続いていました。
僕個人の限られた経験では、インドの人は一般的に細かいことを考えず気前がよく面倒見がいいと感じていましたが、こと食べ物に関しては特にそう感じました。
こんな感じで、せっかくの親切心だからと真に受けて食べていると、あっという間に2〜3キロは太ってしまうでしょう、
というか僕は実際にそうなっていました。体重は測っていませんでしたが、明らかにお腹が大きくなっているのを日々実感していましたから。
トイレはタイに似ている
次にトイレですが、これに関してはかなりタイと似ていると感じました。
具体的には、
- 紙を流してはいけない
- ゴミ箱があるトイレでは、そこに紙を捨てる
- ホースがついた手動ウォシュレットがある
- トイレットペーパーがないトイレも多い
という感じです。
注意点としては、使う前に紙の有無をチェックすることと、とにかく紙を流さないことでしょうか。慣れていないと抵抗感があるかもしれませんが、向こうのトイレは本当に詰まるので、抵抗感を振り切ってゴミ箱に捨てましょう。
例外として、汲み取り式(ボットン)のトイレにはゴミ箱がなく、そこでは紙を捨てても問題ありません。今回のインド滞在は出張のため「冒険」をすることもなかったため、そのタイプのトイレに出くわさずに済みましたが・・・
インドの男性はひげが好き
これは実際に行って改めて感じたことですが、インドの男性はヒゲを大事にしています。
僕の仕事はIT系なのですが、若いプログラマーでもヒゲを蓄えた人ばかりでした。
「ヒゲがない男なんて恥ずかしい」
という考えすらあるんじゃないかというほど、ヒゲが濃い人ばかりでした。
イスラムの世界ではヒゲは一人前の男の証みたいな考えがあると聞きましたが、地理的にはイスラム世界にかなり近いインドにおいても同じようです。
日本においては髭のレーザー脱毛もありますが、インド人にそんなサービスを紹介したら卒倒してしまうでしょうね。ところ変われば、というところですね。
豚インフルエンザ
滞在の最後の週になって、オフィス内でこんなニュースがありました。
「同僚のAが休暇中に豚インフルエンザにかかって入院したらしい」と。
どうやらAさんは、奥さんと子供二人の家族全員が豚インフルエンザに感染したらしく、隔離されていたそうです。
Aさんは前の週の水曜日から日曜日まで休暇を取っていたのですが、その間に発症した模様で、診断をした医者は「おそらくオフィスから感染したのだろう」と推察していたそうです。
彼は僕のすぐそばに座っていたので、本気で震え上がりました。
豚インフルエンザの潜伏期間は2日から10日程度で、多くの場合数日以内に発症するそうです。
もしかすると彼は、豚インフルに感染して潜伏したまま出勤していたのかも。もしそうだとすれば、オフィスの中の人だって無事ではないだろう。
オフィスとホテルの行き来しかしていなかったのに、まさかこんなところから思いもかけぬ病名を聞くとは・・・
その話を聞いていたら喉がムズムズして頭が痛く、なんだか体調が悪く感じてくるのですから恐ろしいものです。
結果的に、インフルエンザはどうやら彼の娘が学校からもらってきたものだったそうです。子供が小学校に行っただけで豚インフルエンザをもらってくるなんて恐ろしや、とも思いましたが、インドの人もさすがにこれは珍しいケースだといっていたので、これがインドの日常というわけでもないのでしょう。
また、Aさんの隔離からしばらく経っても、自分も含めたオフィス内の誰も発症しなかったので、今回は事なきを得たようです。
もっとも、豚インフルエンザは罹患したとしても致死率はそこまで高くないそうですし(とはいえ油断は大敵だと思います)、件のAさんも彼の家族も全員回復したとのことでした。ですが、どこか遠い世界の病気だと思っていた豚インフルエンザという病名を耳にしたことに狼狽えてしまいました。特に、インドの病院に隔離されてしばらく帰国できないとかは面倒だなぁと思っていました。
ちなみに、豚インフルエンザの英語名は「Swine flu」です。読者の方がインド訪問中にこの単語を使う必要がないことを願っていますが、頭の片隅に入れておくといいかもしれません。
今回もつらつらと書き連ねていくうちにだいぶ長文になってしまいました。また折を見てインド滞在中に感じたことなどを記したいと思います。