先日インドへ出張をする機会がありました。
行ったのは南部のチェンナイという都市で、一人での出張でした。
出張も久しぶりなのですが、インドへ訪れたのが今回が初めてで、久しぶりに新しい国へ行ったなと思ったものです。
そこで今回は、インドへの出張に関するメモみたいなものを残しておこうと思います。今後、チェンナイをはじめインドへ出張する方の参考になれば幸いです。
ここで紹介する情報は2019年の僕個人の経験に基づいた情報です。時間とともに情報が古くなるので、その点ご留意ください。
インド入国にはビザが必要
日本人がインドに入国するにはビザが必要です。
日本のパスポートは今でも強力ですが、それでもインド渡航時にはビザが必要です。
インド人から聞いたのは、インド政府はビザに関して「目には目を」的なスタンスを取っていて、ある国がインド人に対してビザを要求するなら、インドもその国の人に対してビザを要求するのだそうです。
とはいえインドのビザの取得はかなり容易な部類だと感じました。
eビザが便利
ビザの種類には、
- 大使館で申請する通常のタイプのビザ
- インターネットで申請するeビザ
- 到着地の空港でその場で申請する到着ビザ
があります。
到着ビザ(Visa on Arrival)を申請できるのは日本または韓国籍者だけなので、それ以外の国籍の方と旅行する場合は注意が必要です。
「自分は日本人だし、到着ビザでいっか」
なんて思っていたら、インド出身の人からeビザを申請するようにすすめられたので、アドバイスを聞くことにしました。
申請はインド政府のホームページからできます。URLはGoogleから検索すればすぐに探せるのでそちらからジャンプしましょう。
オンラインで申請できるeビザには種類があり、観光ビザ、ビジネスビザの他にも医療ビザなどもあります。
今回は出張なのでビジネスビザを選んで申請作業を進めていたら、会社の詳細情報を聞かれたり、名刺のコピーを要求されたりして面倒です。
「面倒だなぁ」
と思ってほったからしていたところ、現地の人から
「観光ビザを選ぶといい」
とアドバイスされ、現地の連絡先などを教えてもらいました。
「ビジネス目的なのに観光ビザでいいのかよ」
という疑問はありましたが、おそらく今までも外国人が来る時はこうやってきたのでしょう。まあビジネスビザもそこまで大きな手間ではなかったのですが、僕は名刺を手元に持っていなかったので、パワーポイントかなんかで「創作」しなきゃと思っていたのでこの手間が省けたのは素直に助かりました。
まあ名刺自体は自宅のどこかに眠っているのですが、過去10年ほど名刺もスーツもまったく使ってこなかった上に、今回は出張が決まった段階ですでに日本の自宅を離れており、なにも持ってきていなかったのです。
ビザは観光ビザで30日間という、一番短いものを選びました。費用は25米ドル。
支払いにクレジットカードを使おうとしたのですが、なぜか通らず。PayPalも受け付けているとのことで、そちらを使ったら無事に支払い完了しました。
レシートは出ないので、経費を申請するときはどうするのでしょうね。僕はPayPalの明細をレシートとして提出しましたが・・
受付が完了すると、申請時に入力した個人用のメールアドレスに対して申請を受け付けた旨のメールが届きます。
メールの中には、
Note: This acknowledgement email is not Electronic Travel Authorization (ETA).Application will take 72 hours for processing
つまりこれは受付に対する通知にすぎず、ETA(ビザ)ではないと書いてありますので、審査完了まで待ちます。
2日ほどしたら申請時に入力した個人用のメールアドレスに対してETA(Electronic Travel Authorization)が送信されてきました。
普通のテキストで英語で申請ID、名前、有効期限などが書いてあり、後ろの方には細かい注意事項がたくさん書いてあるだけの質素なメールでした。
途中に、このメールのコピーを持参するように書いてあるので印刷してカバンに入れます。
到着・入国時にビビる
そして出発日となり無事インドに到着すると、目指すは入国審査場です。
eビザホルダーのためのレーンがあり、そこへ並びます。
パスポートと、ETAと書かれたメールをプリントしたものを取り出して列にならんでいると、いきなり不安になることが起こります。
僕以外の全員が、いかにもビザっぽい紙を持っているのです。顔写真があり、背景にはスタンプみたいなのが付いていて、色もカラフルです。なのに僕が持っているのはちゃちなテキストが書いてあるだけの白黒のメールのプリントアウトです。
さらに不安になったのは、僕以外にも日本人がいたのですが、その彼らでさえカラフルなビザっぽい印刷物を持っていたのです。
「あれ?なにか見落としたか・・・もしかして許可が下りた後にどこかにアクセスしてあの書類をダウンロードして印刷するべきだったのか?」
望んでいなかった出張とはいえ、ここまで来て入国拒否でもされたら面白くありませんし、どこかの国に入国拒否されたとなったら今後他の国でも不便をこうむるかも、なんていろんな不安が頭をよぎります。
そうこうしているうちに自分の順番が来て、もうどうにでもなれと思いチャチなメールのプリントアウトを提出します。
すると、特になにも言われることもなく、なにも聞かれることもなく、無事に入国することができました。
なぜ僕だけがみんなと違う書式だったのかはわかりませんが、とりあえず不安が一つ解消されました。
空港の両替は最小限に
無事に入国できたら、次は両替です。
空港に到着したのが深夜の12時だったので、両替屋が営業しているか不安でしたが、とりあえず荷物受け取り場の中と税関のカウンターを出たすぐのところの両替屋は深夜でも開いていました。
ただ、他の国の両替屋でみるような各国通貨のレートを一覧した電光掲示板的なものもなにもありません。
「ボッタくる気満々だな」
と思いつつも、ここで両替するしかないと思いました。
一万円札を取り出すと、5500ルピーを提示されます。
どうみても悪徳レートですが、深夜だしどうせ出張だしと思ってここで両替しました。滞在期間などを聞かれ会話をしていると、「もう10000円両替したほうがいい」と勧められましたが、あとで会社の人に聞こうと思い、1万円だけにしておきました。
両替はATM+クレジットカードが便利
到着初日はボッタクリと知りつつも空港で両替しましたが、あとで会社の人たちに聞くと、いちばんいいのはATMで現金を引き出す方法だそうです。
多少の手数料はかかりますが、途中で10000ルピーを2回、計20000ルピー引き出して、クレジット会社の請求が30700円でした。マーケットのレートにかなり近いですし、ちなみに、空港で提示されたレートで20000ルピー両替すると、36400円ほどかかる計算になるので、これが正解だと思います。
ただ注意が必要なのは、これはキャッシング利用になるので、キャッシング枠があらかじめ必要になります。
僕はクレジットカードを3枚持っていたのですが、そのうちの2枚はキャッシング枠が0円でした。普段キャッシングを利用しないので意識していなかったのですが、総量規制とかの関係でしょうか、最近は自分から申請をしないとキャッシング枠をもらえないんですね。
一枚だけ、銀行系のキャッシュカード兼クレジットカードは申請はしていないのですがキャッシング枠がついていて助かりました。
銀行のキャッシュカードも使えるとは思いますが、僕はなぜか新生銀行を利用しているのですが、新生銀行のキャッシュカードにはいまだにICチップがついておらず、そのためか新生銀行のキャッシュカードは海外ATMでの使用が一切できないようになっています。
インドへの出張が決まったら、キャッシング枠が付いているか確認したり、銀行のキャッシュカードが海外でも使えるか確認しておくといいかもしれません。
ちなみに両替店ですが、僕の行動半径には一軒もありませんでしたし、滞在していたホテルも両替はしていないとのことでした。
僕が滞在していたのは観光地ではなく、ITパークと呼ばれるIT系のオフィスがあつまっているようなエリアだったためと思いますが、出張であればこういうケースはあると思うのでやはりATMから現金を引き出せる方法はあったほうがいいでしょう。
クレジットカードはちょっと不安
欧米への出張であれば、クレジットカードで大半のことが済む国も多いでしょう。
しかしインドにおいてはやはり現金のほうが安心感があると感じました。
現地の人は会社のカフェテリアでもちょっとした買い物でもクレジットカードを利用していて、Google Payなどもありかなり進んでいる印象を受けました。
ただ、これらの店舗ではインド国内のクレジットカードしかつかえない可能性がかなり高いと思います。
いちど大きなショッピングモールへ行き、オシャレな感じのお店でインドの伝統的な衣装をお土産に買ったのですが、そこではインド国外のクレジットカードを使えませんでした。
仕方ないので現金を下ろしてくるといったのですが、驚いたことにこのショッピングモールにはATMが一つもなかったのです。結局、炎天下の中、モールの外でATMを探し出し、事なきを得ました。
また、同僚が以前インドへ出張した時、現地のスタッフとホテルのバーでお酒を飲み、その支払いに個人のクレジットカードでしたところ、後日そのカードがインド国内で不正利用されたとのことでした。
インドでそのカードを使ったのはそのホテルのバーだけだったので、ここでスキミングされたのは確実とのことでした。
こんな話を聞いていたため、どの程度までクレジットカードが使えるかを試す勇気もなく、ほとんど現金で支払いをするというスタイルでした。
とここまで書いてきたらかなり長くなってしまったので、続きは次回にと思います。
次回は
- 食事
- トイレ
- 交通
- 現地でのエピソード
などを紹介できればと思います。